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トピックス

2024.07.11

作家イスマイル・カダレ逝去

 

夢宮殿

 
2024年7月1日、アルバニアの代表的作家イスマイル・カダレが首都ティラナの病院で亡くなりました。88歳でした。
 
カダレは1936年1月28日生まれ。第二次世界大戦の戦没者たちの遺骨回収のためにアルバニアを訪れた将軍を主人公とする『死者の軍隊の将軍』(1963)、山岳地帯で続く仇討ちの連鎖を描く『砕かれた四月』(1980)、夢の蒐集と分析を通じて国民を支配する専制国家を舞台とした『夢宮殿』(1981)などの長編で高い評価を獲得し、2005年には第一回国際ブッカー賞を受賞しました(ノーベル文学賞候補として名前が上がるのも毎年のことになっていました)。
 
代表長編『夢宮殿』は1994年に東京創元社の叢書〈海外文学セレクション〉の第一回配本作品として刊行され、現在は文庫レーベル〈創元ライブラリ〉の一冊として販売されています。
 
その作品群はアルバニアの特異な政治的状況を色濃く反映しつつも、同時に高い普遍性を備えており、世界中の読者に愛読されてきました。
 
どうぞ安らかにお眠りください。
 
●英ガーディアン紙の追悼記事
https://www.theguardian.com/books/2024/jul/01/ismail-kadare-obituary
 
●仏ル・モンド紙の追悼記事
https://www.lemonde.fr/disparitions/article/2024/07/01/ismail-kadare-le-grand-ecrivain-albanais-est-mort-a-88-ans_6245801_3382.html
 
●仏フィガロ紙の追悼記事
https://www.lefigaro.fr/livres/deces-de-l-ecrivain-albanais-ismail-kadare-a-l-age-de-88-ans-20240701
 

2024.07.09

創元推理文庫2024年復刊フェア書目が決定しました【2024年9月下旬開催予定】

東京創元社では、品切れ中の文庫作品を対象として、毎年”復刊フェア”を開催しています。
本年の復刊フェアは、2024年9月下旬より開催を予定しております。
今回も、X(旧twitter)で実施したアンケートの結果やお問い合わせに寄せられたご意見を参考にして、書目を決定しました。
 
今回復刊されますのは、以下の8点です。
●新カバー」とあるものは、復刊を機にカバーが新しくなります。
7月10日追記:『レディに捧げる殺人物語』も新カバーとなりますので追記しました。
 
◆ミステリ◆
フランシス・アイルズ/鮎川信夫訳『レディに捧げる殺人物語』 ●新カバー
……リナ・アスガースは、八年近くも夫と暮らしてから、やっと自分が殺人者と結婚したことをさとった……ショッキングな書き出しで始まる本書は、妻を愛し、歓心を得ようとしながら、妻の心とはうらはらな言動をする異常性格の夫に献身的につくす健気な女の不可解な性と、その内心の葛藤を描いて新生面を切り開いた犯罪心理畢生の大作。
 
ヒラリー・ウォー/法村里絵訳『この町の誰かが』 ●新カバー
ひとりの女子高校生が死体で発見されたとき、平和な町クロックフォードの素顔があらわになる。あの子を殺したのは誰か? 浮かんでは消えていく容疑者たち。焦燥する捜査班。怒りと悲しみ、疑惑と中傷のなか、事件は予測のつかない方向へと展開していく。警察小説の巨匠が全編インタビュー形式で描く《アメリカの悲劇》の構図。
 
F・W・クロフツ/中村能三訳『フレンチ警部の多忙な休暇』 ●新カバー
旅行社の社員ハリー・モリソンは、ある男から豪華船を用いたイギリス列島巡航の事業計画を聞かされ、協力を申し出る。紆余曲折の末、賭博室を設けた観光船エレニーク号がアイルランド沿岸の名所巡りを開始した。だが穏やかな航海は、モリソンが船主の死体を発見したことで終わり、事件捜査にフレンチ首席警部が名乗りをあげる。アリバイトリックの妙で読者を唸らせる傑作長編。
 
ドロシー・L・セイヤーズ/浅羽莢子訳『死体をどうぞ』 ●新カバー
砂浜にそびえる岩の上で探偵作家ハリエット・ヴェインが見つけた男は、無惨に喉を掻き切られていた。手元にはひと振りの剃刀。見渡すかぎり、浜には一筋の足跡しか残されていない。やがて潮は満ち、死体は流されるが……? さしものピーター卿も途方に暮れる難事件。幾重もの謎が周到に仕組まれた雄編にして、遊戯精神も旺盛な第7長編!
 
ビル・S・バリンジャー/矢口誠訳『煙で描いた肖像画』 ●新カバー
古い資料の中から出てきた新聞の切り抜き。それは、ダニーの記憶を刺激した。そこに写っていたのは、十年前に出会った初恋の少女だったのだ。彼女は今どうしているのだろう? ダニーは彼女の消息を追ってみようと思い立つ。青年の物語と交互に語られていくのは、ある悪女の物語。サスペンスの魔術師、バリンジャーの代表作。
 
パーシヴァル・ワイルド/越前敏弥訳『検死審問-インクエスト-』
リー・スローカム閣下が検死官としてはじめて担当することになったのは、女流作家ミセス・ベネットの屋敷で起きた死亡事件だった。女主人の誕生日を祝うために集まっていた、個性的な関係者の証言から明らかになる事件の真相とは? そして、検死官と陪審員が下した評決は? 全編が検死審問の記録からなるユニークな構成が際立つ本書は、江戸川乱歩が絶賛し、探偵小説ぎらいのチャンドラーをも魅了した才人ワイルドの代表作である。
 
◆怪奇幻想◆
シンシア・アスキス他/倉阪鬼一郎・南條竹則・西崎憲編訳『淑やかな悪夢 英米女流怪談集』 
神経の不調に悩む女にあてがわれた古い子供部屋。そこには、異様な模様の壁紙が貼られていた……。“書かれるべきではなかった、読む者の正気を失わせる小説”と評された、狂気と超自然のあわいに滲み出る恐怖「黄色い壁紙」ほか、デモーニッシュな読後感に震撼すること必至の「宿無しサンディ」等、英米の淑女たちが練達の手で織りなす、本邦初訳の恐怖譚12篇を収めた1冊、文庫化。
 
◆SF◆
ジェイムズ・P・ホーガン/小隅黎訳『時間泥棒』 
ニューヨークじゅうで時間が狂いはじめた。時計がどんどん遅れていくのだ。しかも場所ごとで遅れ方が違う。この異常事態に、著名な物理学者が言うには「異次元世界のエイリアンが我々の時間を少しずつ盗んでいるのです」!? エイリアンだか何だか知らないが、時間がなくなっていくのは本当だ。大騒動の顛末は? 巨匠が贈る時間SFの新機軸!
 
※いずれも2024年7月9日時点では購入できません。
 
また、復刊フェアとは別に、創立70周年フェアの著名人・作家による「私のオススメ文庫」でも以下の書籍を記念復刊しています。
こちらの2点は現在発売中で、書店にない場合は取り寄せ注文も可能です(『ゴースト・ハント』はこれから入荷する書店もございます)。
 
◆4月開催フェア復刊作品◆
ジョナサン・キャロル/浅羽莢子訳『我らが影の声』 ●新カバー
【澤村伊智推薦】聞け。幸福な日々と偽りの自分が、静かに確実に崩れ落ちる音を。
兄が死んだのは、ぼくが十三のときだった。線路を渡ろうとして転び、第三軌条に触れて感電死したのだ。いや、それは嘘、ほんとはぼくが……。ぼくは今、ウィーンで作家活動をしている。映画狂のすてきな夫婦とも知り合い、毎日が楽しくてしかたない。兄のことも遠い昔の話になった。それなのに──キャロルの作品中、最も恐ろしい結末。決して誰にも、結末を明かさないで下さい。
 
◆7月開催フェア復刊作品◆
H・R・ウェイクフィールド/鈴木克昌他訳『ゴースト・ハント』
【月村了衛推薦】正統派英国怪奇小説、最後の昏き光輝の書。深夜の書斎で恐怖の読書に戦き給え。
幽霊屋敷訪問の様子を実況するラジオ番組のリポーターが訪れたのは、30人にも及ぶ自殺者を出したという異様な来歴を秘めた邸宅だった……。極限の恐怖を凝縮した代表作「ゴースト・ハント」他、瀟洒な田舎の別荘(カントリー・ハウス)の怪異譚「暗黒の場所」など本邦初訳作5篇を含む、正統的な英国怪奇小説最後の書き手と謳われる名手・ウェイクフィールドの逸品18篇を集成した、初の文庫版傑作選。
 

2024.07.04

第2回創元ミステリ短編賞の最終候補作が決定しました

東京創元社が主催する短編ミステリの新人賞である、第2回創元ミステリ短編賞の最終候補作が決定しました。
 
詳細は下記リンクより、創元ミステリ短編賞のページでご確認ください。
http://www.tsogen.co.jp/award/sogenmystery/
 

2024.06.27

第2回創元ミステリ短編賞の二次選考結果を発表しました

東京創元社が主催する短編ミステリの新人賞である、第2回創元ミステリ短編賞の二次選考結果を発表しました。
 
詳細は下記リンクより、創元ミステリ短編賞のページでご確認ください。
http://www.tsogen.co.jp/award/sogenmystery/
 

2024.06.26

東京創元社 編集部アルバイト募集のお知らせ

東京創元社では編集部アルバイトを募集いたします。
応募規定につきましては、下記URLから採用情報のページをご参照ください。
 
https://www.tsogen.co.jp/kaisha/saiyou_johou.html
 

2024.06.14

「このホラーがすごい!2024年版」に東京創元社の作品が多数ランクインしました

 

発売中の『このホラーがすごい!2024年版』(宝島社)に東京創元社の刊行作品が多数ランクインしました。
海外編では、ジェフリー・フォード『最後の三角形』が第6位、アンソロジー『ロンドン幽霊譚傑作集』が第7位、同じくアンソロジー『穏やかな死者たち』が第10位と、ベスト10に3作品がランクイン。
国内編では、久永実木彦『わたしたちの怪獣』が第8位に選ばれました。

 

 

両部門20位までのランクイン作品は以下のとおりです。

 

■海外編
第6位 『最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選』ジェフリー・フォード/谷垣暁美編訳

第7位 『ロンドン幽霊譚傑作集』W・コリンズ、E・ネズビット他/夏来健次編訳

第10位 『穏やかな死者たち シャーリイ・ジャクスン・トリビュート』エレン・ダトロウ編/渡辺庸子、市田泉他訳

第11位 『迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成』A・ブラックウッド他/平井呈一訳

第17位 『九月と七月の姉妹』デイジー・ジョンソン/市田泉訳

第19位 『呪いを解く者』フランシス・ハーディング/児玉敦子訳

 

■国内編
第8位 『わたしたちの怪獣』久永実木彦
 

2024.06.05

久永実木彦「わたしたちの怪獣」と『創元SF文庫総解説』が第55回星雲賞を受賞!

2024年の第55回星雲賞が決定し、日本短編部門久永実木彦「わたしたちの怪獣」(創元日本SF叢書『わたしたちの怪獣』所収)が、ノンフィクション部門を『創元SF文庫総解説』(A5判並製)が、それぞれ受賞しました。東京創元社刊行物の国内作品の星雲賞受賞、ノンフィクション作品の受賞、いずれも初です。

星雲賞は、日本のSF及び周辺ジャンルのアワードとしては最も長い歴史を誇るSF賞です。星雲賞は、前年度に発表された作品および活動の中から、日本SF大会参加者のファン投票により決まります。
第55回星雲賞は、4月23日から5月31日にかけて「第62回日本SF大会 やねこんR」参加者による投票が行われました。
授与式は、7月6日に「第62回日本SF大会 やねこんR」で行われます。
 
他部門の結果など詳細は、「日本SFファングループ連合会議」公式サイト内の結果発表ページをご覧ください。

 

わたしたちの怪獣 創元SF文庫総解説

 

 




ミステリ・SF・ファンタジイ・ホラーの専門出版社|東京創元社

2024.05.23

第2回創元ミステリ短編賞の一次選考結果を発表しました

東京創元社が主催する短編ミステリの新人賞である、第2回創元ミステリ短編賞の一次選考結果を発表しました。
 
詳細は下記リンクより、創元ミステリ短編賞のページでご確認ください。
http://www.tsogen.co.jp/award/sogenmystery/
 

2024.05.13

川出正樹『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション』(東京創元社/単行本)が第77回日本推理作家協会賞〈評論・研究部門〉を受賞しました

 

 
5月13日(月)、第77回日本推理作家協会賞の選考会がおこなわれ、川出正樹『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 戦後翻訳ミステリ叢書探訪』(キイ・ライブラリー/単行本)が、〈評論・研究部門〉を受賞いたしました(中相作編『江戸川乱歩年譜集成』と同時受賞)。
先日発表になった第24回本格ミステリ大賞と合わせ、二冠獲得となりました。おめでとうございます!
 
川出正樹(かわで・まさき)
1963年愛知県生まれ。慶應義塾大学卒。翻訳ミステリを中心に文庫解説や書評などを多数執筆、2009年からは〈翻訳ミステリー大賞シンジケート〉サイトにて「書評七福神」の一人としても活動、毎月翻訳ミステリの新刊ベスト1を紹介している。共著に瀬戸川猛資編『ミステリ・ベスト201』『ミステリ絶対名作201』、池上冬樹編『ミステリ・ベスト201 日本篇』、村上貴史編『名探偵ベスト101』、書評七福神編著『書評七福神が選ぶ、絶対読み逃せない翻訳ミステリベスト2011-2020』、杉江松恋監修『十四人の識者が選ぶ本当に面白いミステリ・ガイド』など。『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション』は初の単著となる。
 
そのほかの受賞作などについては、日本推理作家協会のホームページをご覧ください。
http://www.mystery.or.jp/
 

2024.05.13

宮内悠介「ディオニソス計画」(〈紙魚の手帖〉vol.14掲載)が第77回日本推理作家協会賞〈短編部門〉を受賞しました

 

 
5月13日(月)、第77回日本推理作家協会賞の選考会がおこなわれ、宮内悠介「ディオニソス計画」〈紙魚の手帖〉vol.14掲載)が短編部門を受賞しました(坂崎かおる「ベルを鳴らして」と同時受賞)。
宮内先生、おめでとうございます!
 
宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)
1979年東京生まれ。92年までニューヨーク在住、早稲田大学第一文学部卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。インド、アフガニスタンを放浪後、麻雀プロの試験を受け補欠合格するも、順番が来なかったためプログラマになる。囲碁を題材とした「盤上の夜」を第1回創元SF短編賞に投じ、受賞は逸したものの選考委員特別賞たる山田正紀賞を贈られ、創元SF文庫より刊行された秀作選アンソロジー『原色の想像力』に同作が収録されデビュー。また同作を表題作とする『盤上の夜』は第一作品集ながら第147回直木賞候補となり、第33回日本SF大賞を受賞。さらに第二作品集『ヨハネスブルグの天使たち』も第149回直木賞候補となり、第34回日本SF大賞特別賞を受賞した。2013年、第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞を受賞。17年『彼女がエスパーだったころ』で第38回吉川英治文学新人賞を、同年『カブールの園』で第30回三島由紀夫賞を、18年『あとは野となれ大和撫子』は第49回星雲賞日本長編部門を、20年『遠い他国でひょんと死ぬるや』で第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した。著書に『超動く家にて 宮内悠介短編集』『ラウリ・クースクを探して』『国歌を作った男』などがある。
 
そのほかの受賞作などについては、日本推理作家協会のホームページをご覧ください。
http://www.mystery.or.jp/