羅を選べば、怒りが蔽う。刹を選べば、悪意が蔓延る。ならば私は、羅を選ぶわ──虚無の地獄で繋がった少年と少女の魂の行方。鬼才の幻視文学の頂点となる傑作!
手脚に痣や傷がついていくのに痛みを感じない女性の日記。内容はどんどん異様になって……。戦後ドイツを代表する女性作家が描く、日常に忍び込む幻想。全15編の傑作集!
イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっと怖い幽霊たちの物語を100編収めた、不思議な短編集。
朝倉宏景、君嶋彼方、砂村かいり、額賀澪で贈る読切特集「駅×旅」。堂場瞬一、新連載スタート。読切、赤野工作。芦辺拓、高田大介、連載最終回。創元ホラー長編賞選評掲載ほか。
ミュージカル、バレエ、ストレート・プレイ、2.5次元……さまざまな舞台をテーマに描かれた五つの物語を収録する、オリジナルアンソロジー第二弾!
未知のパンデミックにより世界は一変した。滅びの危機を経て緩やかに回復してゆく世界で、消えない喪失を抱えて生きる人々の姿を描く、新鋭のル=グイン賞特別賞受賞長編。
ある老人施設の、年齢、聴力、認知機能レベル、すべてが異なる八人の老人と一人の寮母が見る各人に一つの真実。同じ一夜の同じ場面が、九人それぞれの章の同じページ、同じ行に浮かび上がる。
貫井徳郎、新連載『不等辺五角形』。伊吹亜門、今村昌弘、北山猛邦、白井智之が贈る最新作。サマンサ・ミルズ、2023年ヒューゴー賞受賞作。創立70周年記念企画ほか。
飛行機の墜落で顔も名前も失い、廃墟のごとき屋敷に辿り着いた男。ひとり男を看護する女性は、美しくも妖しい彼の物語に惹かれていく──英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く長編小説。
ある町に現れた水の循環の研究者という男。彼が来てから奇怪な出来事が続き、住人たちは次々に正体不明の病に侵されていく。マコーマックらしさ全開の不気味な奇想小説!
巨人、精霊、願い事の木、魔犬などコーンウォールの多彩な伝説をモチーフに、現代に生きる人々と幻想が交差する瞬間を切り取った十二の物語。サマセット・モーム賞受賞作。
西條奈加、千早茜、深緑野分、秋永真琴、織守きょうや、越谷オサムで贈る、読切特集「料理をつくる人」。フレッド・ヴァルガス、クリスマス・イヴの事件を描く短編掲載ほか。
元ミシュラン調査員の著者が描くフランス美食界の真実 ! 三ツ星シェフはなぜ死を選んだのか ? 星の重圧、シェフ同士の闘い、野心、嫉妬……。 美食と陰謀の傑作小説。カゼス文学賞・海辺の文学賞受賞。
冠婚葬祭、それは人生の節目で催される大切な行事。現在の、あるいはこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに書かれた六つの短編小説からなる文庫オリジナル・アンソロジー。
第三十三回鮎川哲也賞選評、および第一回創元ミステリ短編賞選評&受賞作掲載。本誌初登場・新野剛志、連載スタート。今村昌弘による〈明智恭介〉シリーズ最新短編ほか。
36もの短い断章から浮かびあがる、架空都市/幻想建築の創造と崩壊。カルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、ル=グイン自らが翻訳を熱望した傑作がついに文庫化。
勤務先の老舗映画会社が大手IT企業に買収される──新元号が発表された日、DVD宣伝部を率いる砂原江見は、すべての企画が止まった会社で改めて働く意味を探し始める。
医師に自死の幇助を求める老人。彼に致死薬を与えるべきか? 本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』の著者が放つ、自死の幇助の是非について観客が投票する緊迫の戯曲!
閉塞的な街で孤独な男女が魔術的陰謀を追う表題作ほか、天才科学者によってボトルに封じられた大都市の物語「ダルサリー」など、繊細な技巧と大胆な奇想による14編を収録。
発火体質の青年の恋、がらくた博物館のお仕事模様など、とびきりヘンな人々が織りなす、とびきり優しい11の物語。シャーリイ・ジャクスン賞、全米図書館協会アレックス賞受賞短編集。