この世界に同じ名前を持つ人はたくさんいるけれど、どれひとつとして同じ悩みはない。少し頑固で、生きることに不器用な人たちを優しい眼差しで掬いあげる傑作短編集全五編。
高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、端末をかざして世界を切り取る。かつて「わたしの」母が、祖母が、曾祖母がそうやってきたように──
誰がロラン・バルトを殺したか? エーコ、フーコー、デリダ……綺羅星のごとき登場人物たち。『HHhH』の著者による驚愕の記号学ミステリ。エーコ+『ファイト・クラブ』!
人生を諦めた人にしか用がないと言われる廃墟パライソ・アルト。そこに住む「天使」は不思議な来訪者たちの話に耳を傾け、向こう側への旅立ちを見送る。美しくも奇妙な物語。
生まれては死ぬアーシュラ。臍の緒が巻きつき、スペイン風邪で、海で溺れ、屋根から落ち、ロンドンの大空襲で……。デジャヴュとは、生き続けられなかった今とは別の人生の名残なのか? コスタ賞受賞作!
暴力と欲望に満ちたさまざまな時代と場所で、夢も希望もなく血まみれで生きる人々の一瞬の美しさを切り取る。2014年O・ヘンリー賞受賞作ほか、10編収録の珠玉の短編集!
古書店で見つけた一冊の書物には、黒曜石雲という謎の雲にまつわる奇怪な出来事が記されていた。マコーマック文学の集大成ともいうべき一冊。人はいかに謎に満ちた存在か?
心を病んだ弟を助けるためにどうしたらいいのか? 弟が変わるきっかけとなった事故を起こさなくすればいいのだ! 利発な少女の試みは……? 高校生が選ぶルノードー賞、ELLE読者大賞他多数の賞を受賞した傑作。
スイスの田舎町からパリへ。お世辞にも可愛いとはいえないマリーは、蝋で人体を作る医師の手伝いをしながら人体のことを学んでいく。『堆塵館』の著者が贈る驚天動地の物語。
わたしが不幸かどうかを決めるのは、他人ではない――。《不幸の家》で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族をふっくらと描く、実力派新人の最新傑作小説。
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
綾部蓮という青年は、私たちにとって遠い国の王様のような存在だった――。ひとりの天才が齎す謎と恩寵を忘れ難い余韻をもって描き出す、期待の俊英による連作ミステリ。
ルーマニアのカルヴィーノとも呼ばれる鬼才が描く、36の断章から浮かびあがる架空都市の創造と崩壊。アーシュラ・K・ル=グィンが自ら翻訳を手がけた傑作掌編集。
男はダイバースーツを着て浴室で死んでいた――。数々の異様な事件をめぐる犯罪者や弁護士の素顔。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』に連なり凌駕する珠玉の短編集!
僕の兄サイモンをあなたたちは絶対好きになると思う。でも何ページか先でサイモンは死んでしまうんだ。コスタ賞大賞・新人賞W受賞。選考委員絶賛の恐るべきデビュー作!
図書館を定年退職したばかりの男に送られてきた奇妙なメール。その添付ファイルには、人間の言葉を話す猫が語る血も凍るような半生がおさめられていた! 不思議でブラックな物語。
ひとり島に住む元医師は、不治の病に冒されたかつての恋人の願いを叶えるべく、島を離れ旅に出る。〈刑事ヴァランダー・シリーズ〉の著者が描く孤独な男の希望と再生の物語。
芸術家の老女が家のあちこちにいる幽霊へ向ける想いとは──。浮かび上がる鮮烈なイメージが胸を打つ表題作ほか、ブッカー賞候補作家が贈る切なさと愛おしさに満ちた短編集。
懇意の宅配レストランからもらった不思議なパン種で始めたパン作りが、女性プログラマを思わぬ地平へ連れていく。『ペナンブラ氏の24時間書店』著者が描く、風変わりな冒険。
空たちビブリオバトル部は、ミステリマニアの美少女・早乙女寿美歌が率いるミステリ研究会と交流試合を開くことに。番外編「空の夏休み」を収録した、好評シリーズ第三弾!