太陽系を巻き込んだ大戦争から数百年。宇宙への脱出を夢見るジャンク掘りの少年、それ自体がひとつの街のような移動隊商宿で旅をつづける少年、そして砂漠の巨大都市の片隅で古びた見慣れぬロボットと出会った女性。彼らの運命がひとつにより合わさるとき、かつて一夜にしてひとつの都市を滅ぼしたことのある戦闘ロボットが、長い眠りから目覚めて……世界幻想文学大賞作家が贈る、どこか懐かしい未来の、ふしぎなSF物語。
ラヴィ・ティドハー
1976年イスラエル生まれ。キブツに育ち、15歳から南アフリカ、ラオス、南太平洋のバヌアツなどに住んだ経験がある。現在はロンドン在住。スチームパンク小説《ブックマン秘史》三部作で好評を博し、長編Osama(2011)で世界幻想文学大賞を受賞。『完璧な夏の日』は英ガーディアン紙の2013年度ベストSFに選出された。コミックブック原作者や編集者、ライターとしても活躍しており、The World SF Blogで英国SF協会賞ノンフィクション部門も受賞している。ツイッターアカウントは@lavietidhar。
https://lavietidhar.wordpress.com
茂木健
(モギタケシ )1959年生まれ、翻訳家。訳書にウィルスン《時間封鎖》三部作、ティドハー『完璧な夏の日』、ウォルトン『図書室の魔法』《ファージング》三部作ほか多数。著書に『バラッドの世界』『フィドルの本』。