十九世紀末のフランス、パリ。職人ノアは、故人の姿を見ることができる特別な幻燈機の製作を得意としていた。
新たな依頼人は、鏡だらけの奇妙な屋敷で暮らすマルグリット。五年前に亡くなった彼女の妹シャルレーヌの過去を読み解くうち、ノアは姉妹の秘密に呑み込まれてゆく……。
SFと幻想が融合した世界を紡ぎ続ける著者、待望の第二作品集。解説=高原英理
「感傷ファンタスマゴリィ」
「さよならも言えない」
「4W/Working With Wounded Women」
「終景累ヶ辻(しゅうけいかさねがつじ)」
「ウィッチクラフト≠マレフィキウム」
空木春宵
(ウツギシュンショウ )1984年静岡県生まれ。駒澤大学文学部国文学科卒。2011年、平安朝を舞台にした言語SF「繭の見る夢」が第2回創元SF短編賞の佳作に選出される。21年、初の単著『感応グラン=ギニョル』を刊行。同書で『SFが読みたい!2022年版』の「ベストSF2021 国内篇」第3位を獲得した。24年、第二作品集『感傷ファンタスマゴリィ』を刊行。ほかに、〈異形コレクション〉シリーズ、『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』『ミステリー小説集 脱出』などのアンソロジーにも寄稿している。