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2023.07.11

創元推理文庫2023年復刊フェア書目が決定しました【2023年10月開催予定】

東京創元社では、品切れ中の文庫作品を対象として、毎年”復刊フェア”を開催しています。
本年の復刊フェアは、2023年10月より開催を予定しております。
今回も、twitterで実施したアンケートの結果やお問い合わせに寄せられたご意見を参考にして、銘柄を決定しました。
 
今回復刊されますのは、以下の10点です。
●新カバー」とあるものは、復刊を機にカバーが新しくなります。
 
※18:20追記:記事の初出時に掲載されていなかった書籍1点を追加しました。
 
◆ミステリ◆
フランシス・アイルズ/大久保康雄訳『殺意』 
イギリスの田舎町の開業医ビグリー博士は妻のジュリアを殺そうと決意し、周到な計画のもとに犯行へと移った。完璧を誇る殺害計画、犯行過程の克明な描写、捜査の警官との応酬、完全犯罪を目前に展開される法廷での一喜一憂、そして意外な結末は殺人者の心理を描いて余すところがない。倒叙推理小説の三大名作の一つとして名高い傑作!
 
ヒラリー・ウォー/沢万里子訳『愚か者の祈り』 ●新カバー
5月の朝、少年たちが見つけたのは、若い女性の死体だった。砕かれた顔。切り裂かれた胴体。老練なダナハー警部と若いマロイ刑事は、被害者の身元を知るため、頭蓋骨から容貌の復元を試みる。復元された顔が導き出したのは、夢を抱いて故郷を出た少女が惨殺されるまでの、空白の5年間だった。空白を埋め、犯人を求めて、二人はニューヨークへ、そしてニュージャージーへ……。『失踪当時の服装は』と並ぶ警察小説の巨匠の初期傑作。
 
F・W・クロフツ/中山善之訳『シグニット号の死』 ●新カバー
船室は密室状態だった。ベッドでは船の持ち主、証券業界の大物ハリスンが死んでいる。死因は炭酸ガスによる中毒。ベッド脇のテーブルには、ガスの材料となる塩酸入りのデカンターと大理石の入ったボウルが載っていた。フレンチの入念な捜査の結果、事件は自殺の線が濃厚になる。だが……。クロフツ中期を代表する力作!
 
ジョルジュ・シムノン/三輪秀彦訳『猫』
エミール73歳、マルグリット71歳。再婚同士の2人が式を挙げてから8年になるが、かれこれ4年前から言葉を交わすこともなくなった。相手の存在を痛いほど意識しながら互いに無視しあい、一つ屋根の下で際限のないゲームに飽かず興じる。理解しがたいようでいて妙に頷ける老夫婦の執念。屈折した愛と呼べなくもない2人の駆け引きは、夫が飼っていた猫の死に始まった。《メグレ警部》シリーズの著者が贈る。
 
ドロシー・L・セイヤーズ/浅羽莢子訳『雲なす証言』 ●新カバー
兄のジェラルドが殺人犯!? しかも、被害者は妹メアリの婚約者だという。お家の大事にピーター卿は悲劇の舞台へと駆けつけたが、待っていたのは、家族の証言すら信じられない雲を掴むような事件の状況だった……! 兄の無実を証明すべく東奔西走するピーター卿の名推理と、思いがけない冒険の数々。活気に満ちた物語が展開する第2長編。
 
パトリシア・ハイスミス/大村美根子・榊優子・中村凪子・吉野美恵子訳『動物好きに捧げる殺人読本』
人間のみなさんへ――ここに収められた13の短編には、象、駱駝、犬、猫、豚、鼠等、種族こそ違え、いずれも日ごろ口数の少ないわたくしども動物の喜怒哀楽が赤裸々に描かれております。あなたがた同様、わたくしどもも怨恨、正義、痴情、物欲等、いろいろな動機から人間を殺します。殺人の手段も多種多様で、たとえば……。
 
◆ファンタジイ◆
リチャード・マシスン/尾之上浩司訳『奇蹟の輝き』 
不慮の事故で命を落としたクリスがたどり着いたのは「常夏の国」と呼ばれる美しい楽園。だが一方、妻アンは夫の死のショックに耐えきれず自殺し、自分が造りだした闇の世界に閉じこめられてしまった。クリスは旅立つ――最愛の妻を救うために、幾多の苦難が待つ闇の奥へと! マシスンが魂の救済を語る幻の傑作ファンタジイ。
 
ガストン・ルルー/飯島宏訳『ガストン・ルルーの恐怖夜話』
フランス・ミステリ界を代表する巨匠が贈る、世にも怪奇な物語集。片腕の老船長が語る奇怪な話「胸像たちの晩餐」、コルシカの復讐譚に材をとった「ビロードの首飾りの女」、結婚相手が次々と怪死を遂げる娘の物語「ノトランプ」など、いずれ劣らずなまなましく人間心理の闇を描いて、読む者を戦慄の世界へ誘う。恐怖ファン必読!
 
◆SF◆
ロバート・シェクリー/酒匂真理子訳『残酷な方程式』
手違いで惑星基地から締めだされた探検隊の一員。融通の利かないロボットを言いくるめなければ命が危うい。彼のとった奇策とは? 表題作ほか、気弱な男の突拍子もない人格改造術「コードルが玉ネギに、玉ネギがニンジンに」、大戦以後失われた文学の〈記憶〉を売る男と村人の交流を描く「記憶売り」など、黒いユーモアとセンチメントが交錯する、奇想作家の佳作16編。
 
眉村卓『司政官 全短編』
地球人類が星々に進出した時代。だが、それまでの連邦軍による植民惑星の統治が軋轢を生じさせるに及び、連邦経営機構は新たな制度を発足させた――それが司政官制度である。官僚ロボットSQ1を従えて、人類の理解を超えた植民星種族(ロボット、植物、角の生えたヒト型生命など)に単身挑む、若き司政官たちの群像。《司政官》シリーズは、円熟期の眉村SFを代表する、遠大な本格宇宙未来史である。
 
※いずれも2023年7月11日時点では購入できません。