私の記憶は、感覚は、ときに私を裏切って、秘かに嘘をつき始めるかもしれない──。息詰まる心理戦を描いた傑作「幻の男」ほか、サスペンスの名手による嘘つきたちの短編集。 

中学生の望と祖母のお蔦さんが暮らす神楽坂。けれど周囲では次々と事件が発生し、二人暮らしの日々は何かと騒がしい……。粋と人情がたっぷり詰まった、ミステリ短篇集。 

明林書房の新人営業マン・井辻智紀は今日も注文書を抱え書店を飛び回っているけれど、行く先々でトラブルの種が?! 本と書店を愛する全ての人に捧げるハートフル・ミステリ全五編。
 

親友・直海のおばあさまの家を訪ねたら、台所に見知らぬ男の子が!?　慌てた彼はとんでもないことを……。好評《美波の事件簿》シリーズ、前日譚。ライトな本格ミステリ短編集。 

英都大学推理小説研に入部したアリスと、おなじみの面々が遭遇した奇妙な出来事。アリスの入学から、マリアの入部までを九編にわたって瑞々しく描いた、シリーズ初短編集。 

「記憶に自信ある者求む」。ある日萬朝報に載ったこの求人、どうも様子がおかしい。心優しき雑誌記者と、超絶美形の人気絵師。二人の青年が織りなす、〈帝都探偵絵図〉第二弾！ 

父親を殺された少年の仇討ちを助ける豪傑の活躍譚など四編。第三回ミステリーズ！新人賞受賞作「殺三狼」に始まる銀牌侠列伝、戦国から民国時代の中国を舞台に描く第二集。 

夕飯の準備中という絶妙のタイミングで、アメリカ帰りの河田刑事が難解な事件を持ち込んできた。料理同様に鮮やかな推理を見せる妻に事件を話すと……。好評シリーズ第三弾。 

『ミミズクとオリーブ』につづく、台所探偵の事件簿第二弾は、密室内での吹き矢による毒殺事件など、安楽椅子探偵ものの魅力を十二分に発揮した、直木賞作家渾身の連作推理。 

美味しい郷土料理を給仕しながら、夫の友人が持ち込んだ問題を次々と解決してしまう新しい型の安楽椅子探偵――八王子の郊外に住む作家の奥さんが、その…… 

食べ物飲み物に至るまで刺客に警戒怠りなかった男を殺した方法とは。第三回ミステリーズ！新人賞を受賞した少女＆怪老人コンビの痛快探偵譚「殺三狼」など、四編を収める。 

無実の罪で逮捕された男は、十年ぶりにかつての仲間の前に現れた――「札幌に来た二人」ほか、断筆期間に入る直前に書かれた力作「死ぬ時は硬い笑いを」など全十四編を収録。 

スパイとして国後島に潜入し、ソ連の警備隊に拘束された男。日本に帰還した彼を待っていた真実とは――哀感漂う表題作ほか、「微かなる弔鐘」「雪原を突っ走れ」など十三編。 

日本ハードボイルドの原点「Ｘ橋付近」、「淋しい草原に」「ラ・クカラチャ」などの傑作、そして「賭ける」をはじめとする由利シリーズを完全収録。名編揃いの初期作品集。 

四件の重なった取り寄せ依頼。しかし連絡すると、四人ともそんな本は頼んだ覚えがないと……。駅ビル内の書店を舞台に描いた短編五本を収録。好評本格書店ミステリ、第三弾。
 

婚礼から半年、夜ごと人目を忍んで夫が逢瀬を重ねる相手とは！　悋気に狂わんばかりの妻は……。 

没後三十年を経てなお新たな読者をも引きつけて離さない江戸川乱歩。初期活動の一端を窺う短編集を『人でなしの恋』と同時刊行。 

デビュー間もない時期に発表された「二癈人」を筆頭に、ご存じ明智小五郎が初めて登場した記念すべき「Ｄ坂の殺人事件」から、戦後の名品「防空壕」に至る全10編を、初出誌の挿絵を付してお届けする。 

大乱歩の歩みはそのまま日本探偵小説の歩みであった。「二銭銅貨」による衝撃的登場以来、その紡ぎ出す幻想の糸は絶えず読者を捕えてきた。本巻には「屋根裏の散歩者」……