ある日、萬朝報に掲載された『記憶に自信のある者求む』という求人広告。見たものを瞬時に覚えられる博一は、養父の勧めもあって募集に応じた。見事採用となり、高い給金を得て記憶力の訓練を受けていたのだが──。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、二人の青年をはじめ、明治の世に生きる人々の姿を人情味豊かに描いた、〈帝都探偵絵図〉シリーズ第二弾。文庫化に際し一編を追加収録した五編を収録。解説=大矢博子
「世界記憶コンクール」
「氷のような女」
「黄金の日々」
「生人形の涙」
「月と竹の物語」
三木笙子
(ミキショウコ )1975年、秋田県生まれ。2008年『人魚は空に還る』でデビュー。続けて同じ〈帝都探偵絵図〉シリーズである『世界記憶コンクール』『人形遣いの影盗み』『怪盗の伴走者』を刊行。他の著書に『帝都一の下宿屋』『赤レンガの御庭番(エージェント)』『帝都千一夜 美男のシェヘラザード』などがある。