― 短編集―
スパイとして国後島に潜入し、ソ連の警備隊に拘束された男。日本に帰還した彼を待っていた真実とは――哀感漂う表題作ほか、「微かなる弔鐘」「雪原を突っ走れ」など十三編。
出版社営業の新人・井辻智紀は今日も慌てている。他社の営業マンには散々いじられ、訪ねた書店では冷たくあしらわれ、贈呈式には受賞者が現れず……新シリーズ開幕。
日本ハードボイルドの原点「X橋付近」、「淋しい草原に」「ラ・クカラチャ」などの傑作、そして「賭ける」をはじめとする由利シリーズを完全収録。名編揃いの初期作品集。
「奇談求む」。謎めいた新聞広告に誘われた人々が語る不思議な体験は、奇妙な二人組の推理によって全く別の物語になる。怪奇と謎を愛する著者が贈る、安楽椅子探偵奇譚。
ねえやの日記を盗み読む愉しみを覚えてしまった少女が目にしたのは……(「マリ子の秘密」)。その他、宝石・週刊朝日共催コンテスト入選作等、芦川澄子の推理小説全編を収録。
密室の立体模型の中で、人形は胸を刺されて殺されていた。W大学教授・神代宗のもとに届いた謎の贈り物を巡る表題作ほか五編を収録。超人気シリーズのあの面々が次々登場!
4件の重なった取り寄せ依頼。しかし連絡すると、4人ともそんな本は頼んだ覚えがないと……。駅ビル内の書店を舞台に描いた短編5本を収録。好評本格書店ミステリ、第3弾。
老舗薬問屋の三姉妹の依頼を受けた金田一耕助が、混沌の商都大阪で遭遇する怪事件。目眩くどんでん返しが連続の表題作ほか、古今東西の名探偵の大活躍のパスティーシュ7編。
夕飯の準備中という絶妙のタイミングで、アメリカ帰りの河田刑事が難解な事件を持ち込んできた。料理同様に鮮やかな推理を見せる妻に事件を話すと……。好評シリーズ第三弾。
玉川上水、長良川、桜川……、六つの川面を流れる死体には何があったのか。実力派作家六名が、「川と死体」をお題に物語を紡ぐ。美しく、トリッキーなミステリ・アンソロジー。
駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組んでいく。初の本格書店ミステリ、第1弾!
身に覚えのない窃盗の罪を着せられた怪盗紳士ルパン。彼を追うは名探偵シャーロック・ホームズ。二大名探偵の対決を描く表題作ほか、8つの華麗なるパスティーシュを収録。
誘拐され、無残にも爆殺された私の息子。犯人謎解きの魅力を遺憾なく示すパズラーの精華。本格ミステリ界期待の新人が満を持して、名探偵の鮮やかな推理の数々を描いた瞠目のデビュー作!
殺人事件の捜査話を肴に酒を飲みつつ碁を3局ばかり。そうこうしているうちに、佐村刑事が持ち込んだ謎をいとも容易く解いてしまう妙法寺の和尚。8編収録の安楽椅子探偵譚。
『ミミズクとオリーブ』につづく、台所探偵の事件簿第二弾は、密室内での吹き矢による毒殺事件など、安楽椅子探偵ものの魅力を十二分に発揮した、直木賞作家渾身の連作推理。
表題作のほか「動かぬ鯨群」「三狂人」「燈台鬼」や幻の海洋奇譚「人間燈台」など、探偵小説の醍醐味を満喫させる「新青年」切っての本格作家大阪圭吉の傑作十一篇と初出時の挿絵を収録。
その名も高い「とむらい機関車」を始め「デパートの絞刑吏」「白鮫号の殺人事件」「あやつり裁判」といった名探偵青山喬介の全活躍譚など、本格探偵作家の傑作9編ほかエッセイ。挿絵附。
久しく鳴りを潜めていた怪盗が、最愛の伴侶を右腕にして復活する日が来た。意気揚々と金満家の邸宅に乗り込んだが、相次ぐ番狂わせに進退窮まり……表題作など12編。
わたしが結婚し、そしてこの手で殺した男は、背が高くて東大出だった――理想と見えた結婚生活の破綻を語る衝撃の手記「背が高くて東大出」など10編。
弁護士事務所に出向した探偵社の社員が勝ち味の薄い難件に直面、やたら不利な情況証拠と人手不足の上に手弁当を強いられ、果ては女難にあえぎつつ東奔西走する中編「雲の中の証人」など9編。