注目の本 バックナンバー


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シリアの秘密図書館

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絶望的な状況下、人びとを救ったのは「本」だった! 感涙のノンフィクション

『シリアの秘密図書館』

デルフィーヌ・ミヌーイ
藤田真利子

いまもなお不安定なシリア情勢。日々の爆撃や戦闘に怯え、行く場所を失っている人が多くいます。そんな絶望的な状況下の中で、決して希望を失わず、明日を生き抜くために「本」を救い、「本」に救われた人びとがいました。『シリアの秘密図書館』は、そうした現場から直接届けられた彼らの声を集め描かれているノンフィクションです。

2015年、シリアの首都ダマスカス近郊の町ダラヤでは、市民がアサド政権軍に抵抗して籠城していた。彼らは政府によってテロリストとされていたが、実際は自由を求める一市民でしかなかった。政府軍からの空爆により、建物は破壊され、人びとが犠牲となる中、ダラヤの若者たちは瓦礫から本を取り出し、地下に「秘密の図書館」を作った。いつか持ち主の手元に本が戻るようにと、集めた本には元の持ち主の名前を書き、番号をふり管理をして……。

子供から大人まで、多くの人が心の平安や憩いを求めて図書館を訪れていました。『アメリ』『アルケミスト』『7つの習慣』……特に『アルケミスト』は人気で来館する多くの若者たちに回し読みされていたようです。また、もともと本を読む習慣のなかった人も、本を読むことに安らぎを覚え、さらに知識を深める楽しみを知っていったのです。

「本は僕を支配しない。与えてくれる。」
「本を読むのは、何よりもまず人間であり続けるためです」

本を読むことで生きる希望を諦めなかったダラヤの若者たちの言葉に思わず涙してしまいました。
どんな困難な状況の中でも「本」は私たちに自由と強さを与えてくれる。
この本を通して、知る現実は心に痛みを伴いますが、読み終わった後に沸き起こる感動は強い印象を残すのではないでしょうか。ぜひ、ご一読ください。

・住む町が戦場になっても、本と図書館を求めた
デルフィーヌ・ミヌーイ『シリアの秘密図書館』訳者あとがき(全文)

・本は人を救う!書籍にまつわる傑作ノンフィクション
戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊

(2018年5月18日)

現代詩人探偵

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『ミミズクと夜の王』で読書界を席巻した、著者初の長編ミステリ!

『現代詩人探偵』

紅玉いづき

『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞した作家・紅玉いづきの『現代詩人探偵』が待望の文庫化となりました。

とある地方都市、コンビニのアルバイトで生計を立てる僕は「10年後に再会しよう」というかつての詩人仲間との約束を果たすためSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会に足を運びます。しかし、当日集まったのは9人の仲間の内5人。残りの4人は自殺や事故などの不審死遂げていました。
農薬を飲んで亡くなった者、人気のない踏切で電車に飛び込んだ者、病院の非常階段から飛び降りた者――。なぜ彼らは死んだのか。生きて詩を創作し続けることはできなかったのか。生きることと詩を書くことの両立に苦悩している僕は、独自に調査を始めます。
各章は作中で登場する詩人たちの詩から始まります。ある者は戦争を望むような過激な詩、ある者はイソップ寓話をなぞらえたような明るくも切ない詩。各章を読み終え、真相が明らかになった後で詩を見返すと、それらが切実に胸に刺さります。
そして終章直前の第4章では作品の世界観を根幹から揺るがす、ある事実が判明します。
私は全編を読み終えたあとすぐに2周目に突入してしまいました。初読と再読とで見えてくる景色が異なる本書を、どうぞお見逃しなく。

最後に、本作は金沢を舞台に描かれており、この本の刊行後に紅玉いづき先生ご本人が作中で登場した場所のロケを行っておりますので、いくつかご紹介させていただきます。本書を片手に訪れてみてはいかがでしょうか。

霧のような雨が降る中、松並木のそばを通り、橋を渡り、夜の間しか鍵のかかっていない家の通用口を開く。──文庫本p14

記憶の中では別のファミレスだった気がするのだけど、それも遠くおぼろげな認識だった。この並びに古本のチェーン店があった頃に、入店したことが数回あるだけの淡い記憶だった。──文庫本p33

ステンドグラスのはまった塔のような門のある神社の脇を抜けると、いくつかの古いビル。──文庫本p117

(2018年5月18日)

そしてミランダを殺す

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続々重版!! 抜群のリーダビリティと先が読めない傑作ミステリ

『そしてミランダを殺す』

ピーター・スワンソン
務台夏子

2月刊行したピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』が、先の読めない傑作ミステリとしてご好評いただき、売行き急上昇中です! 何がそこまで読者をひきつけるのか。今月の注目の本は、そんなハラハラドキドキが止まらない、圧巻のサスペンスをご紹介いたします。

実業家のテッドが空港で出会った謎の美女・リリー。彼女と意気投合したテッドは、酔った勢いで「妻を殺したい」とリリーに言ってしまう。テッドの妻・ミランダの浮気現場を目撃してしまったからだ。リリーはテッドの発言を正すどころかミランダは死ぬべきであると、テッドの意見に賛同し彼を唆す。そうして始まった見知らぬ男女二人による殺人計画。順調に進んでいるように見えた計画ではあったが……。

※読むのを止めることに強い精神力が必要となりますので、あらかじめここで注意喚起させてください。
なにより魅力は、その構成の面白さ。本書は三部構成となっておりますが、第一部も第二部も第三部も、必ずどこかで予想もしない展開に読者を誘います。保証いたします! 少なくとも3回仰天するでしょう(ちなみに筆者は5回驚きました)。「まさか、こんな展開になるなんて!」本書を読んでいる途中、何度こう思ったことか。自分の予想を遥かに超える展開と各章の引きの上手さが抜群なのです。
さらに、登場人物の少なさも本書の魅力の一つ。主要な登場人物は5人。実業家のテッド、謎の美女・リリー、テッドの妻・ミランダ、ミランダの浮気相手・ブラッド、そして、……〇〇〇〇。この5人だけ覚えたら本書を存分に楽しめます! その中でも特に異彩を放つのが、謎の美女・リリー。彼女の幼少期や大学時代の独白から徐々に明らかになるリリーの本性。前述の通り、どの章も続きが気になるところで終わってしまうので、毎回あと一章読んだら一休みしようと思いつつ先が気になって、つい続きを読んでしまいます。

登場人物の名前が覚えられないから海外作品は読まないなんて言うことなかれ! 抜群のリーダビリティと先が読めない展開に最後の最後までハラハラドキドキさせることをお約束いたします

男女4人の視点で進む殺人計画! 翻訳者さんが「訳したい!」と持ち込んでくださった傑作ミステリ『そしてミランダを殺す』 【WEBミステリーズ!】

(2018年4月12日)

許されざる者

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CWA賞、ガラスの鍵賞ほか五冠!新たなる北欧の巨人の快進撃!

『許されざる者』

レイフ・GW・ペーション
久山葉子

CWA賞、ガラスの鍵賞などで五冠という輝かしい実績を修めた『許されざる者』が好調です。作者はスウェーデン生まれのレイフ・GW・ペーション。日本では初訳の作家ながら、発売から2ヶ月で2度の重版がかかりました。

国家犯罪捜査局の元長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソン。現役時代の彼は並外れた推理力から「角の向こう側が見通せる」と部下たちに畏怖されていましたが、日頃の不摂生がたたって、脳梗塞で倒れ右半身に麻痺が残ってしまいます。
そんな彼に主治医の女性が25年前の未解決事件についての相談をもちかけます。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。その犯人の正体を牧師だった父が、25年前に懺悔で聞いていたというのです。だが、事件は時効になっていました。
ヨハンソンは相棒だった元捜査官や介護士、義弟の税理士や兄の丁稚のロシア人を手足に事件を調べなおし、新たな事実が次々と明るみにでます。当時のずさんな捜査、目撃されていた一台の乗用車――。果たして彼は犯人を見つけ出し、報いを受けさせることはできるのでしょうか。

担当編集の「これは面白い!」というセリフのもと、私も実際に読んでみました。乱暴な言葉遣いながら、どこか憎めないヨハンソン。周囲の魅力的なキャラクターも相まって後半まではするすると読めてしまいます。しかし、最後の展開はあまりにも衝撃的でした。読了後には「許されざる者」というタイトルを改めて思い知らされることになるでしょう。新たな北欧の巨人の衝撃作を是非ご堪能下さい

杉江松恋/レイフ・GW・ペーション『許されざる者』解説(全文)【WEBミステリーズ!】

(2018年4月12日)

旅の終わりに

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人生最後の旅に出るとしたら、あなたは誰とどこに向かいますか? 映画「ロング、ロングバケーション」原作

『旅の終わりに』

マイケル・ザドゥリアン
小梨直

2018年1月26日より全国公開された映画「ロング、ロングバケーション」。アカデミー賞受賞俳優のヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドが主演し、先日発表されたゴールデン・グローブ賞では主演女優賞にもノミネートされました。映画も原作と同じく、コミカルな旅路が描かれ、最後に訪れる思いけれど温かみのある結末には胸を打たれます。
80歳を迎え、認知症を患う夫のジョン。妻のエラは末期がんと診断され、子供たちからは住み慣れた家を離れ施設での生活をすすめられていた。
いま離れてしまえばきっと別々に死を迎えてしまう。2人は思い出のキャンピングカーに乗り込み、かつて幼い子供たちと一緒に旅をしたように車を走らせる事にした。目指すは思い出のテーマパーク。順調に始まった旅行は、様々な失敗が重なりつつも笑いに満ちた旅路になるのだが……。

エラは痛み止めをのみながら、ハンバーガーばかり食べたがるジョンにつきあい、ジョンは妻のエラを忘れてガソリンスタンドに置き去りにして車を走らせたり、かと思えば強盗に襲われたり……。哀しみとおかしさが交互する旅を続ける二人。キャンプ場で二人がこれまでの家族、友人、教え子たちの写真を見ながら過去を振り返る場面はとても胸にしみました。そして、最後には切なくも温かな涙が溢れる感動が待ち受けています。小説と映画、ぜひ両方を味わって欲しい感動作です。

映画『ロング,ロングバケーション』公式サイト
読んでから観ましょう。【WEBミステリーズ!】

(2018年1月30日)

雪には雪のなりたい白さがある

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あなたの会いたい人は今、どうしてますか? 涙がこぼれる5つの物語

『雪には雪のなりたい白さがある』

瀬那和章

今年、都内でも雪が降りました。積雪が20センチを超えたのは4年ぶりだそうです。
会社への電車通勤は私も億劫になりましたが、雪が降り積もる最寄り駅の風景はいつもと違って新鮮で幻想的に見えました。
今回は今の季節にもぴったりで、実在する4つの公園を舞台に描かれる『雪には雪のなりたい白さがある』をご紹介いたします。

「雨上がりに傘をさすように」(港の見える丘公園@神奈川県横浜市)
横浜での大学生活に憧れを抱き、高校を卒業後、上京し一人暮らしをはじめた果歩。しかし、誰にも話しかけられず、どのグループにも馴染めなかった彼女は、偶然にも公園で会った目ヂカラの強いお爺さんと出会う。年も立場も違う二人だが、公園で会うたびに少しずつ話をするようになるけれど。

「体温計は嘘をつかない」(あけぼの子どもの森公園@埼玉県飯能市)
ムーミン谷のレプリカがあるこの公園は、家族の思い出が詰まった場所だった。経理部に勤めるサラリーマンの主人公シュウは息子の陸を連れて、離婚後初めてこの地を訪れる。別れた妻の真帆と息子を会わせるため、そして彼女にあることを伝えるために。

「メタセコイアを探してください」(石神井公園@東京都練馬区)
高校生の葉助は人気ヴォーカリストの相沢ミアと奇跡的な出会いを果たす。しかし、どうしても彼女に声がかけられない彼の前に現れたのは、どう見ても女子中学生の、自称・秋の妖精だった。彼女は焼き芋と引き替えに、彼の願いを叶えてくれるという香水を手渡すのだが……。

「雪には雪のなりたい白さがある」(航空記念公園@埼玉県所沢市)
中学三年生のクリスマス。瑞希は恋人の英治に別れを告げられた。あれから10年、目指していたフルート奏者の夢を諦め、「なにものにもなれない」と息苦しい毎日を送る瑞希。だから、届いた同窓会の招待状は心の支えだった。彼が来るかはわからない。でも期待していたのだ。誰かがこの息苦しい毎日から引き上げてくれることを。

「あの日みた大空を忘れない」(航空記念公園@埼玉県所沢市)
宇宙に関わる仕事に憧れ、その開発に携わる研究機関に就職した英治だったが、
自身が希望する部署には配属できなかった。今の仕事を続けることに疑問を感じ始めた英治は、かつて夢を目指すきっかけとなった公園に向かう。そして、瑞希と10年前に交わした約束を思い出す――。

「あの日みた大空を忘れない」は単行本未収録の書下ろしであり、女性の目線から描いた第4話『雪には雪のなりたい白さがある』に対して、同じ出来事を男性目線で描いた物語でもあります。一つの約束の男女のとらえ方の違いは、どうぞ本作品で(瑞希と英治は再び巡り会うことができるのでしょうか……?)。
学校に馴染めない、今の仕事に疑問を感じる、気になる人になかなか話しかけられない……。登場人物たちの性別や年齢は様々ですが、彼らが悩みながらも答えを出そうとする姿には感動し、勇気をもらえます。是非多くの人に読んで欲しい作品です。

(2018年1月30日)

屍人荘の殺人

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史上初、デビュー作にして年末ミステリベストランキング3冠達成!

『屍人荘の殺人』

今村昌弘

第27回鮎川哲也賞受賞作である『屍人荘の殺人』(今村昌弘)が、
『このミステリーがすごい!』2018年版国内編 第1位
〈週刊文春〉ミステリーベスト10 2017年国内部門 第1位
『本格ミステリ・ベスト10』2018年版国内ランキング 第1位
に選ばれました。新人作家のデビュー作が、年末ミステリランキングで3冠を達成したのは史上初の快挙です。

  「カレーうどんは、本格推理ではありません」
物語は神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介が、学食で女子生徒は昼食に何を食べるかを推理するところから始まります。
その後、彼らは探偵少女である剣崎比留子と共に映画研究部のいわくつきの夏合宿に参加することになり、ペンションである紫湛荘(しじんそう)を訪ねます。
……と、ここまでは古き良き本格ミステリの雰囲気ですが、92ページを境に世界は一変します。紫湛荘はある理由から外界と完全に隔離され、大学生たちはペンションへの立て籠もりを余儀なくされます。葉村譲や二人の探偵は生き残り、無事に紫湛荘を脱出することが出来るのでしょうか。さらに、この本には登場人物の名前を把握しやすいある仕掛けもあるので、スラスラ読めます。

もっと詳しくご紹介したいのですが、ここまでしか書けないことが悔しいです!しかしながらこの本については予備知識を持たず、一気に読むことをオススメします。(巻末の参考文献のページも先に見ないほうがよいです!)
綾辻行人のデビューから時が経ち、新本格ミステリ30周年記念といわれる2017年に『屍人荘の殺人』が刊行されたことも感慨深いです。
有栖川有栖もこの本の帯に『ここ数年来、本格ミステリが新たな時代に入ったことを感じていた。ついに新・新本格の「目玉」が入った』。という言葉を寄せております。本格と奇想の見事な融合をお楽しみ下さい!

WEBミステリーズ!本格ミステリを牽引する新たなる旗手、衝撃のデビュー『屍人荘の殺人』

(2017年12月15日)

事件

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話題沸騰! 刊行直後に即重版が決定した名作

『事件』

大岡昇平

第31回日本推理作家協会賞を受賞した不朽の裁判小説、大岡昇平『事件』が先月刊行から売行き絶好調につき、早速重版となりました。
今回の注目の本では、戦後の日本文学の重鎮が描いた傑作小説『事件』をご紹介いたします。

1961年7月2日、神奈川県の山林から女性の刺殺体が発見される。被害者は地元で飲食店を経営していた若い女性・坂井ハツ子。翌日、警察は自動車工場で働く19歳の少年・上田宏を殺人及び死体遺棄の容疑で逮捕する。――最初はどこにでもある、ありふれた殺人のように思われた。しかし、公判が進むにつれて、法廷では意外な事実が明らかになっていく。果たして、少年は本当に殺人を犯したのか?

本書は大学の法学部で参考書として紹介されることも多い傑作。ちなみに私は、大学は法学部でした。勤勉な学生ではなかったためか、……存じ上げませんでした。しかし、読み進めてみると、なるほどこれは凄い! 小説として抜群に面白い上に、裁判の手続や慣例などが事細かに描かれています。勉強になるなぁ。また、ドラマじみた派手な展開はないにもかかわらず、検察官と弁護人の手に汗握る理屈の応酬と心理戦は必見です! 作家の宮部みゆきさんは本書について、「今こそ、もっともっと広く、多くの人びとに読み返されるべき傑作」と評しました。まさにその通りです! 未読の方は、ぜひこの機会にご一読ください

WEBミステリーズ!【特別掲載】 大岡昇平「私のすすめる7点」

(2017年12月15日)

ブルーローズは眠らない

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年末ミステリベストに続々ランクインした『ジェリーフィッシュは凍らない』の著者最新刊

『ブルーローズは眠らない』

市川憂人

第26回鮎川哲也賞受賞作『ジェリーフィッシュは凍らない』でデビューし、『このミステリーがすごい!』『本格ミステリ・ベスト10』『週刊文春ミステリーベスト10』にランクインした異例の新人・市川憂人の新作『ブルーローズは眠らない』。個人的に今年読んだミステリの中でトップ3に入る面白さでした!

ある廃屋敷が火事になり、焼け跡から日記が発見されます。日記は屋敷に住む少女アイリスによって綴られ、主であるテニエル博士が青い薔薇を生成した過程、一家や居候していた少年エリックが辿った残酷な運命が記されていました。日記の発見とほぼ同時期に、二人の人物が青い薔薇を生成したと発表しました。
一人はテニエル博士、もう一人は聖職者としての務めを果たす傍ら、園芸家としても活躍するクリーヴランド牧師。ところが、二人による発表の数日後、薔薇の蔓が壁と窓を覆った堅固な密室状態の温室で、切断された首と縛られた生存者が発見されます。さらに、その壁には『実験体七十二号がお前を見ている』という謎の血文字が……!

本作は少年エリック視点の章と、刑事たちが事件の謎に迫る章が交互に展開していきます。読み進めるにつれてこの巧みな構造が、読者に謎の不思議さと真相の強い衝撃をもたらします。
勿論マリア&漣のコミカルな掛け合いはそのままに、漣の冷静な分析やマリアの閃きはさらにパワーアップ!トリックのスケールや意外性のある犯人など、前作にも引けを取らない素晴らしい作品になっております。ぜひ、この機会に前作と合わせてご一読ください。

【市川憂人デビュー作 マリア&漣シリーズ第1弾】
ジェリーフィッシュは凍らない【第26回鮎川哲也賞受賞】

(2017年10月23日)

七つの海を照らす星

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七河迦南のデビュー作『七つの海を照らす星』が売行き急上昇中!

『七つの海を照らす星』

七河迦南

吉田ヨシツギ氏による綺麗なカバーイラストで思わず手に取ってしまう1冊、七河迦南のデビュー作の『七つの海を照らす星』が新帯での出荷で、売行き急上昇中です! 第18回鮎川哲也賞受賞作の本書は、児童養護施設を舞台に子供たちが遭遇した不可思議な謎が解き明かされる連作ミステリです。

様々な事情により、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけています。
子どもたちが遭遇する謎は全部で6つ。どの話も読み終わった後、彼らの未来に思いを馳せたくなるような、優しい気持ちになれるエピソードばかりです。個人的なオススメは、行き止まりの階段から幻のように消えてしまった転入生の謎を扱った、第4話の「夏期転住」。謎も魅力的ですが、そこに繋がるまでのどこか甘酸っぱい描写にも引き込まれます。ああ、しかし第2話の「滅びの指輪」もミステリ好きはニヤッとしてしまうような、あの定番ネタが使われていて、しかもその使い方がまた良いのです。いえ、もう全部オススメですね!
そして、子どもたちが遭遇した6つの謎とその全てを結ぶ7つ目の謎が解き明かされたとき、これまで見てきた景色とはまた違う光景が浮かび上がります。一編一編丁寧に書かれた短編がやがて一つの大きな物語へ昇華していく、読んだ人の記憶に残る素晴らしいミステリです。

11月下旬には、年末のミステリランキングで話題を呼んだシリーズ第二作、『アルバトロスは羽ばたかない』が待望の文庫化! 未読の方はこの機会にぜひ、まずは『七つの海を照らす星』からどうぞ! 急に寒くなった今日この頃、切なさと優しさに溢れた感動のミステリであったかい気持ちになってください。

【七河迦南の好評既刊】
アルバトロスは羽ばたかない 【11月下旬 文庫化】
空耳の森 【単行本】

(2017年10月23日)

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