― 本格ミステリ―
文無し名無しの私立探偵、肥った弁護士、そして明察神の如きバーテン。本格ミステリの巨匠が愛した安楽椅子探偵譚、いよいよ最終巻。七編収録の三番館シリーズ第六集。初文庫化。
鮎川氏自身が推理作家役で登場、来日したエラリー・クイーンの半身ダネイ氏に書いてもらった色紙の紛失事件に巻き込まれる表題作など、五編を収録。三番館シリーズ第五集。
帝ご寵愛の猫、『源氏物語』幻の巻「輝く日の宮」――ふたつの消失事件に紫式部が挑む。
酒造業を営む紅家の婿養子が殺害された。犯人は謎めいた三姉妹か、酒蔵に集う杜氏か。雪降り積もる戦前の京都で名探偵・坂口安吾と鉄管小僧が連続殺人に挑む長編本格推理。
資産家の伯父と、遺言状の優位を争う甥姪四人とが同居を始めた矢先、伯父の毒殺事件が発生。犯人当ての趣向で描かれる「青嵐荘事件」など六編。三番館シリーズ第四集、初文庫化。
跡継承を巡って開かれる落語一門会の取材に、僻村を訪れた間宮緑。折からの豪雨で孤立した村に見立て殺人が突発、頼みの牧編集長が到着できない状況下で第二の事件が……。
膨大な数の稀覯本を収蔵する第三閲覧室で発見された死体。図書館運営主任が疑われ、彼の無実を信じる古書店主は調査を始める。紀田ミステリを代表する緻密な長編本格推理。
A女学院のニシ・アズマ先生が太い赤縁のロイド眼鏡をかけると、たちまち名探偵に変身する! 飄飄とした筆致が光る短編の名手による連作推理全十二編。待望の初文庫化!!
退職刑事が調べて現職刑事が寝台探偵を務めるという逆転の構図で描かれる「拳銃と毒薬」や、推理作家が旅先から手紙で事件を持ち込む「桜並木の一本の桜」など八編を収録。
文壇の登竜門F賞の受賞作は盗作だとの投書が舞い込んだ。その調査に赴き盗作問題の鍵を掴んだらしい編集者の死を巡って私立探偵が駆り出されるが……。三番館シリーズ第三集。
胡蝶ビルの周辺で続発する殺人事件。最初の犯人が逮捕されても事件は終わらず、また別の殺人を呼び寄せる――囲碁、将棋、麻雀などテーブルゲームを鏤めた鬼才のパズラー!
売れない作家が手にした一年間連載の依頼。姑息な売名行為に励みつつ執筆を始めたが、連載期間短縮を主張する編集次長が殺され、当の作家に容疑が……。三番館シリーズ第二集。
退職刑事が現役時代の事件を回想する「凧たこあがれ」や、さしもの退職刑事も一本取られて皮肉な落ちがつく「Xの喜劇」など八編を収録。安楽椅子探偵の名シリーズ第五集。
アルバイト先の助産院をリストラされた陽奈は、急場をしのぐために〈ハローベイビー研究所〉に就職するが、そこでは価値のないものばかり消え失せる目的不明の……
しがない私立探偵の「わたし」がバー〈三番館〉へ行って難事件の話をすると、グラスを磨きながら聞いていたバーテンが忽ち真相を喝破してくれる! 安楽椅子探偵連作第一集。
人生のいたるところに待ち受けている陥穽をテーマにした連作短編集『穴の牙』と、中編二つからなる作品集『深夜の法廷』を併載。巻末に年譜、作品目録を収録した最終巻!
音響会社の技師とバレエダンサーが植物園で惨殺された。技師は産業スパイを追及する矢先に消されたと判明、しかし容疑者にはアリバイが。鬼貫警部と丹那刑事の捜査は如何に。
現職退職両刑事と推理作家が、遺稿のシノプシスをもとにミステリの展開や結末を巡って文殊の知恵を絞る「あらなんともな」など八編を収録。安楽椅子探偵の名シリーズ第四集。
出張助産婦コンビが出合う奇妙な謎を鮮やかに解き明かすのは、伝説のカリスマ助産婦・明楽先生。ユーモアと優しさに満ちた安楽椅子探偵連作集。NHK連続ドラマ化決定!
この結末を、決して人に話さないでください――乱立する探偵役、二転三転する真相。女性教師の撲殺事件は予想不能の展開へと雪崩れ込む。驚愕の本格推理問題作。