部屋の周囲に陳列された夥しい数のカード。モザイク、アラベスク、非対称なコンポジション、銅版画風、水彩画風、テンペラ画風……彼女はその部屋の中で煙のように消え失せてしまった。――洋館の密室から消え、屍体となって発見されたブリッジ愛好家。彼女の死を巡って仕掛けられた魔術的な企みとは? 瞠目の達成点を示すゲーム三部作完結編。少年探偵・牧場智久、戦慄の事件。
竹本健治
(タケモトケンジ )1954年兵庫県生まれ。東洋大学中退。77年雑誌〈幻影城〉で大作『匣の中の失楽』を連載を開始しデビュー。『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』の〈ゲーム三部作〉の他、『ウロボロスの偽書』『閉じ箱』『クレシェンド』など著作多数。コミック作品も手掛ける。