第七期棋幽戦第二局は、〈碁の鬼〉と称される槇野猛章九段の妙手で一日目を終えた。翌日の朝、対局の時間に槇野九段は現れず、近くの滝の岩棚で首無し屍体となって発見される。死の二週間前に目撃された奇妙な詰碁は殺人予告だったのか。知能指数208の天才少年・牧場智久と大脳生理学者・須堂信一郎が不可解な謎に挑む本格推理。ゲーム三部作第一弾、牧場智久シリーズ開幕。
竹本健治
(タケモトケンジ )1954年兵庫県生まれ。東洋大学中退。77年雑誌〈幻影城〉で大作『匣の中の失楽』を連載を開始しデビュー。『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』の〈ゲーム三部作〉の他、『ウロボロスの偽書』『閉じ箱』『クレシェンド』など著作多数。コミック作品も手掛ける。