昭和初期、浅草六区のアングラ劇団。高い塀で外の世界と隔絶された学校に閉じ込められて三年間を過ごす女生徒たち。時代も場所も異なる世界に生きる孤独な魂を描いた全5編。
広大無辺の銀河にひろがる星間国家は、SF作家たちを魅了してきた。オースン・スコット・カード、ロイス・マクマスター・ビジョルドら、その精華を集めた傑作選が登場。
ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作「霧に橋を架ける」の著者が、H・P・ラヴクラフトのクトゥルー神話に着想を得つつ自由に描く、世界幻想文学大賞中編部門受賞作。
資源の宝庫である小惑星帯で、ジョン・ストームは大鉱脈となる小惑星を見つけたが、地球へ帰ってみたところ、その小惑星の記録はなく、さらには2年前に宇宙へ出た彼自身の記録さえ残されていなかった。
「深刻に、ぼくはくだらない話を書く必要に迫られていた」──吉川英治文学新人賞・三島由紀夫賞を受賞した宮内悠介による初の自選短編集。解説=酉島伝法
海辺の村の奇跡、屋根裏の劇場、幻の飛行機械──ネビュラ賞や世界幻想文学大賞を受賞した作品ばかり4編を収めた、不世出の天才作家による珠玉の抒情SF短編集。
世界各地で発生する大旱魃は、文明を急速に崩壊させつつあった。乾ききった都市で緩慢と生きる医師が見たものとは。破滅三部作の一角を為す『燃える世界』完全版、本邦初訳。
パワードスーツ、パワードアーマー、人型歩行メカ──古今のSFを華やかに彩ってきたコンセプトをテーマに描く。加藤直之入魂のカバーイラストと扉絵12点も必見。
ショートショートの名手フレドリック・ブラウン、そのSF短編111編をすべて集めた全4巻の決定版全集。第4巻は「回答」「猫泥棒」などショートショートの名作を収録。
記憶翻訳者の珊瑚は、仮想空間コンテンツ内に自分宛のメッセージを発見する。その製作者が暮らす生活共同体〈みなもと〉を訪れた珊瑚は、自らの過去と向き合うことになった。
増殖した会社員男性、ある朝とつぜん半分になっていた家とその観察に没頭する人々……突飛なアイデアと語りの魔術が描き出す、新しい小説世界。
数千年に一回しか目覚められない恒星船乗組員と、船の全機能を制御するAIの、百万年にも及ぶ攻防の行方は。星雲賞受賞『ブラインドサイト』の著者が放つ傑作ハードSF!
人類が滅亡した宇宙。かつて人に創られたロボットたちは、“特別をつくらない”という掟を守り、宇宙を観測していた。第八回創元SF短編賞受賞作収録、鮮烈なデビュー作。
20万年未来の銀河帝国の皇子が、20世紀の地球人に心と心の交換を呼びかけてきた。応じた彼たが、時まさに恐るべき暗黒星雲の侵攻が始まり帝国の存亡は彼の双肩にかかった。
ラインハルトの新婚旅行で起きた椿事、ヤン・ウェンリーの青春時代の思い出、安楽椅子探偵オーベルシュタインの名推理……公式トリビュート第1弾。全編書下し。
人間は忘れる生き物だ。だからこそ、残っている記憶には意味がある──記憶の海に潜り“翻訳”を行う〈記憶翻訳者〉記憶に潜ることは、依頼人の人生と魂に触れることだった。
高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、端末をかざして世界を切り取る。かつて「わたしの」母が、祖母が、曾祖母がそうやってきたように──
時間旅行と時間犯罪への対処を独占的に管理する巨大民間組織〈コンクレーヴ〉。この組織に秘められた、タイムトラベルがもたらす恐るべき副作用とは? 異色の時間SF!
「今の私では知ることはおろか、想像もできないことを、私は知りたい」──史上最高の天才物理科学者の姉は、別の宇宙を探し求めていた。星雲賞候補作。
人探しをしてインタビューするのが僕の仕事だ。それ以外にもう一つ重要な役割があるけど、それは今は言わない。今、ぼくは一人の少女を追っていた──衝撃的な結末が待ち受ける著者の真骨頂!