第二次世界大戦、朝鮮戦争、そしてヴェトナム戦争……絶滅戦へと変質してしまった相次ぐ戦争と虐殺は、人間の文明が必然として生み出したものなのか。最終・究極戦争を目標とする異人(ホカヒビト)でありながら、そのあり方に疑問を持ち、戦争の“浄化”に向けて動こうとする者たち。彼らは敵対し合う二体の戦争獣を制し、国家と人類が向かう先を正すことが出来るのか。巨匠渾身のハードSF。解説=藤田直哉
山田正紀
(ヤマダマサキ )1950年名古屋生まれ。74年のデビュー中編「神狩り」で第6回星雲賞を受賞。82年『最後の敵』で第3回日本SF大賞を受賞。2002年『ミステリ・オペラ』で第55回日本推理作家協会賞及び第2回本格ミステリ大賞を受賞。SF、ミステリ、冒険小説など多岐にわたる分野で活躍する。『宝石泥棒』『エイダ』『神狩り2』『カオスコープ』『神獣聖戦』など著作多数。