昭和初期、浅草六区のアングラ劇団。高い塀で外の世界と隔絶された学校に閉じ込められて三年間を過ごす女生徒たち。時代も場所も異なる世界に生きる孤独な魂を描いた全5編。
空木春宵
(ウツギシュンショウ )1984年静岡県生まれ。駒澤大学文学部国文学科卒。2011年、平安朝を舞台にした言語SF「繭の見る夢」が第2回創元SF短編賞の佳作に選出される。19年、『ミステリーズ!』vol.96にゴシック幻想ホラー「感応グラン=ギニョル」を発表。同年、アンソロジー『Genesis 白昼夢通信』に「地獄を縫い取る」を発表、のちに竹書房刊行の大森望編『ベストSF2020』に採録され話題となった。