カウンター席だけのバーの、三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、在野の研究家らしき宮田六郎。宮田の爆弾発言を契機に始まった歴史検証バトルは回を追うごとに熱を帯び……。
1995年初頭、神戸を襲った突然の大パニック――そのただ中に連続して起こる不可能犯罪。島田荘司、綾辻行人、有栖川有栖――現代本格派の雄を驚嘆させた期待の新人。第8回鮎川賞受賞作。
徳川末期の富豪渡海屋の財宝を秘めた時計屋敷と、いわくありげな美女野末秋子をめぐる謎また謎。手に汗握る波乱万丈の翻案小説。
アッシャー家の崩壊、ベレニス、そして黒猫。ポオの作品に見立てられた連続殺人の真相は?ロジックに徹した名作が還ってきた!
胸のすくトリックと人情の綾を読み解く名推理。容姿端麗なれど行動は三枚目の名探偵亜愛一郎の、三番目にして最後の事件記録集。
徹底した写実性で専門家達を驚嘆させた物故画家の絵の中に散見される奇妙なアンバランス。おなじみ亜愛一郎の叡智が冴えわたる。
植物へ向ける暖かい目差しが創りあげた稀覯のミステリ世界。むしられた花のひとひらに見出される謎を扱う表題作のほか四編を収録。
五人の男に殺人予告状が送られてきた。差出人は妻と名乗っている。慌てる夫達、果たして本命の標的となっている亭主は誰なのか?
長生きをした側が全財産を相続するという亡父の遺言がもとで、双子同士が家族ぐるみ反目する蛭蜂家。健康な弟の方が殺されて……。
富士川市の事業主吉川を暗殺しようという謀議を盗み聴いた青年が殺され、吉川家の複雑な家族関係のなかで惨劇の幕があがった。
パンク族の怜悧で陰鬱な冥府神とも言うべきキッド・ピストルズと悪戯好きのニンフ、ピンク・ベラドンナが関わった四つの事件記録をまとめた第一短編集。そのどれにも……
〈私〉の後輩が文化祭準備中に屋上から落ちた、という。亡き生徒の親友の憔悴ぶりを見かねて円紫師匠に相談する〈私〉だが……。
大学ゼミ旅行にまつわる@払いのよすぎるアルバイトA洋書紛失B送別会の殺人C帰国後の騒動、をユーモラスに解く安楽椅子探偵譚。
月々の社内報に掲載された匿名作家による短編小説という形式をとりながら、単なる短編集成に留まらない、凝りに凝った趣向の妙。
緑衣の男に狙われる女性を救うため、恋情に絆されながら奔走する探偵作家。伊豆、南紀の風光を背景に展開される、翻案小説の傑作。
危篤の父親を安心させるために、花嫁のふりをしてほしい。報酬につられて奇妙な申し出に乗ってしまった主人公達が繰り広げる悲喜劇。
遅ればせの新婚旅行で怪しい素振りをみせる夫、疑心暗鬼の妻。掌を返すかの如き鮮やかな終幕へ昇華される、日影ミステリの佳品。
推理研の紅一点マリアと共に南海の孤島で宝捜しパズルに挑む江神二郎とアリス。お楽しみも束の間、三人は連続殺人の渦中へ。