このミステリの犯人は天使です。しかし探偵役もまた天使が務めます。一方、このミステリは死者と探偵が誰なのか判らず、しかも「天使の殺人」の作者さえ誰なのか判らない、という作品なのです。どうしてそんなことになるのか、詳しくは本文をお読みください――辻真先の超絶技巧の代表作を、幻の戯曲版を併載した[完全版]として刊行!
辻真先
(ツジマサキ )1932年愛知県生まれ。名古屋大学卒。NHK勤務後、『鉄腕アトム』『サザエさん』『サイボーグ009』『デビルマン』『Dr.スランプ アラレちゃん』など、アニメや特撮の脚本家として幅広く活躍。72年『仮題・中学殺人事件』でミステリ作家としてデビュー。現在でもTVアニメ『名探偵コナン』の脚本を手掛けるほか、大学教授として後進の指導にあたっている。82年『アリスの国の殺人』が第35回日本推理作家協会賞を、2009年に牧薩次名義で刊行した『完全恋愛』が第9回本格ミステリ大賞を受賞。19年に第23回日本ミステリー文学大賞を受賞。20年刊行の『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』は、年末ミステリランキング3冠を達成する。