― 幻想小説―
少年たちをのせて天空をゆく船、ひとが人形に変化する奇病が蔓延した村、機械の身体を持つ青年と植物に身を覆われた少女との出会い。幻想文学の新旗手による初小説集、遂に文庫化。
1800年代後半、ロンドン。アイルランド出身のブラム・ストーカーが、劇場支配人の激務をこなしながら、いかにかの不朽の名作『吸血鬼ドラキュラ』を生み出したかの物語。
羅を選べば、怒りが蔽う。刹を選べば、悪意が蔓延る。ならば私は、羅を選ぶわ──虚無の地獄で繋がった少年と少女の魂の行方。鬼才の幻視文学の頂点となる傑作!
ある母親は、世界が滅亡する日が気がかりで詳細な手記を執筆するが……。戦後ドイツを代表する女性作家が描く、日常に忍びこむ幻想。『その昔、N市では』に続く15編の傑作集!
閉塞的な街で孤独な男女が魔術的陰謀を追う表題作ほか、天才科学者によってボトルに封じられた大都市の物語「ダルサリー」など、繊細な技巧と大胆な奇想による14編を収録。
ある日突然、部屋の中に謎の大きな鳥が現れて消えなくなり……。日常に忍びこむ幻想。戦慄の人間心理。戦後ドイツを代表する女性作家の名作を集成した、全15作の傑作集!
少年たちをのせて天空をゆく船、ひとが人形に変化する奇病が蔓延した村、機械の身体を持つ男と植物に身を覆われた少女との出会い……。幻想文学の新鋭による初の小説集。
三人の作家がそれぞれ架空の土地をめぐる旅に出た。旅先から送り合う、手紙、スケッチ、写真――27の幻想旅情リレー書簡。
魔術師、故郷、儚さ、分身、天使と悪魔のチェスセット、折り紙細工、光の研究、幻影の王国……現代幻想文学の巨人の精髄ともいうべき13篇を収める傑作選。日本オリジナル編集。
屑で財をなしたアイアマンガー一族。そんな一族のひとり、十五歳のクロッドはある日外の世界から来た少女に出会うが……。『望楼館追想』の著者が満を持しておくる超大作。
千里眼を持つ女家長マーサの決断により、赤ん坊はヴァイン家の八人の女たちに育てられることになった――生と死と家族の姿を鮮やかに描き上げた、世界幻想文学大賞受賞作。
不思議な力を使う母が亡くなったとき、わたしはなぜか、六人の〈乗り手〉が降りてくる能力を受け継がされた。その力は、わたしをどこに導くのか? 世界幻想文学大賞候補作。
実在した謎の民族ハザールに関する四五項目からなる事典小説。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教関連の項目は皆、傑作短編。男女版どちらから、どの項目から読みますか?
実在した謎の民族ハザールに関する四五項目からなる事典小説。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教関連の項目は皆、傑作短編。男女版どちらから、どの項目から読みますか?
謎の情熱に囚われた人々を描く連作「12人の蒐集家」に、物語のお茶≠ェ紡ぎ出す中編「ティーショップ」を併載。東欧のボルヘスが魔術的筆致で描き出す、箱庭の如き迷宮世界。
ナポリであてもなく暮らす少年アルカンジェロ。亡き母宛に届いた一通の手紙が、彼の運命を大きく変えてゆく。禁断の愛と芸術による癒しを、ブエノスアイレスを舞台に描く。
皇女の婚礼の片隅で、ふたたび瞼に書かれた物語は始まる。万華鏡のなかの世界。摩訶不思議な謎の宴。飽くことなく語られる魔物の物語は、すべてが収束し、大団円を迎える。
魔物と呼ばれた女童がスルタンの息子に語って聞かせる摩訶不思議な物語の数々。めくるめく物語の迷宮で、現代のシェラザードが語る稀代の奇書。ミソピーイク賞受賞。
失われた女の片足に寄せる郷愁「脛骨」、ゴッホの絵画を再現した庭に溺れる男たち「ドービニィの庭で」他、あらゆる小説の最高峰を極める15編を収めた、綺羅の如き短編集。
幻の満開の桜の下で、サイゴンの熱気の中で、上海の妓楼で繰り広げられる幻惑の宴。傍らには、いつも螺鈿の小箱が置かれていた――名手が織り上げる豪奢な幻想ミステリ集。7編収録。