ロンドンの外れの巨大なごみ捨て場。幾重にも重なる山の中心には『堆塵館』という巨大な屋敷があり、ごみから財を築いたアイアマンガー一族が住んでいた。一族の者は、生まれると必ず「誕生の品」を与えられ、一生涯肌身離さず持っていなければならない。十五歳のクロッドは誕生の品の声を聞くことができる変わった少年だった。ある夜彼は館の外から来た少女と出会った……。『望楼館追想』から十五年、著者が満を持して送る超大作。訳者あとがき=古屋美登里
エドワード・ケアリー
1970年にイングランド東部のノーフォーク州で生まれる。これまでに『望楼館追想』(2000)、『アルヴァとイルヴァ』(2003)、〈アイアマンガー三部作〉(2013, 2014, 2015)、『おちび』(2018)、『呑み込まれた男』(2020)、『飢渇の人』(2021)、スケッチ集『B:鉛筆と私の500日』(2021)を発表。イラストレーター、彫塑家としても国際的に活躍。現在はアメリカ合衆国テキサス州で妻と子供ふたりと暮らしている。妻はアメリカの作家エリザベス・マクラッケン。
http://edwardcareyauthor.com
古屋美登里
(フルヤミドリ )翻訳家。訳書にエドワード・ケアリー『望楼館追想』(創元文芸文庫)、『アルヴァとイルヴァ』(文藝春秋)、〈アイアマンガー三部作〉『おちび』『飢渇の人』『呑み込まれた男』(以上、東京創元社)、M・L・ステッドマン『海を照らす光』(ハヤカワepi文庫)、B・J・ホラーズ編『モンスターズ 現代アメリカ傑作短篇集』(白水社)、デイヴィッド・マイケリス『スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝』、カレン・チャン『わたしの香港 消滅の瀬戸際で』(以上、亜紀書房)ほか。著書に『雑な読書』『楽な読書』(以上、シンコーミュージック)。