ヘミングウェイを初めとする〈失われた世代〉の作家たちに触発されて、一九二〇年代の推理小説界に忽然と登場したハメットは、俗にハードボイルドといわれる…… 

ミッドウェスタン大学の戦時委員会の議長が、内側から鍵のかかったホールの窓から飛び降りて謎の死をとげた。彼は会の情報をナチの情報部へ流している…… 

ハメットの後を継ぎ正統派ハードボイルドを確立したチャンドラーの傑作中短編集、マーロウものを含む５編。巻末の、訳者による「マーロウ誕生の前夜」はマーロウ誕生の背景を探るファン必読の評伝。 

1938年、チェイスの処女作である本書の登場で、本格推理王国のイギリスに初めてハードボイルド派が誕生した――富豪令嬢を誘拐したギャング、この獲物をねらう第二のギャング…… 

ロスアンジェルスのネオンの中を無鉄砲に、しかし一抹の感傷を抱いて歩む主人公フィリップ・マーロウ。そのマーロウに現代人の一典型を見出し、彼の魅力にひかれる読者は多い。 

自分の不倫をあばいた手紙の主を調査してくれと、リュー・アーチャーに依頼した女は、まるで敵地にのりこむような奇妙な態度だった。女丈夫の姑と、屋敷の…… 

路地でできた迷路のようなこの街に、正義という言葉はない。汚職を摘発され、警察を逐われたコーリーは、街を仕切るボスの用心棒となった。だが野蛮人どもと…… 

正統派ハードボイルドを確立した巨匠チャンドラーの中編を収録する短編集。ネオンの渦まく巷に一抹の哀歓をただよわせる不朽の主人公フィリップ・マーロウ。 

十年ぶりに故郷に帰ると、市政のボスであった父は殺され、町は新しいボスによって支配されていた。迷宮入りになっていた父親の事件の真相の究明に乗りだした彼を待っていたものは…… 

ハメットのあとを継いで正統派ハードボイルドを確立したチャンドラーの、マーロウものを含めた傑作中短編４編を収録した待望のアンソロジー。著者による序文付。 

母からは美貌と巨万の富を、父からは恐るべき殺人狂の血を受けついだキャロルは、嵐の夜、精神病院から脱走した。美女を追うギャングと殺し屋たちのまんじともえの争奪戦に、・・・・・・ 

沖縄上陸作戦で日本の特攻機の攻撃によって乗艦を撃沈されたテイラー大尉は記憶喪失症となってしまう。果たして大尉は妻殺しの犯人なのか？　愛人のポーラがその共犯なのか？ 

その内面描写を排した文体で、ハードボイルドの父とも呼ばれるハメットの代表作。 

市政をあやつる黒幕、その力を利用しようとする上院議員、対立するボス。利権と愛欲のからみあう中に起こった殺人の謎を解こうとする賭博者ネド。男も女も…… 

ニューヨークの波止場を背景に、五年の刑を終えて出獄した元警官スティーヴ・レトニックが、友人殺しの真犯人を求めて歩きまわる…… 

私立探偵マーロウは、スターンウッド将軍の娘がゆすりにあっている件で、将軍家へ招かれた。マーロウは、脅迫状の差出人の家へ行き、二発の銃声を聞いて…… 

かわいい娘が二十ドルを差し出して、マーロウの援助を求めて来た。娘の中にある奇妙ないつわりの態度に興味を抱き、マーロウは事件をひきうけた…… 

常夏の南カリフォルニア、ロサンジェルス郊外、太平洋の青い波に洗われるマリブ海浜に、背中から心臓を射ちぬかれた若い女の死体が発見された……