ハメット、チャンドラーとともに〈御三家〉と呼ばれ、ハードボイルドというジャンルを確立させた巨匠ロス・マクドナルド。本書は、登場以来、深化・円熟を遂げ、アメリカ文学界の一翼を担う作家と称されるに至った著者の五つの短編と、代表的評論「主人公(ヒーロー)としての探偵と作家」を収める。名作中編「運命の裁き」をはじめとする、ハードボイルド・ファン必読の傑作コレクション!
「女を探せ」
「追いつめられたブロンド」
「ミッドナイト・ブルー」
「眠る犬」
「運命の裁き」
「評論主人公(ヒーロー)としての探偵と作家」
ロス・マクドナルド
1915年にカリフォルニアで生まれ、西部カナダで育ち、44年に長編『暗いトンネル』でデビューした。49年の『動く標的』以降、私立探偵リュー・アーチャーを登場させ、ハメット、チャンドラーに次ぐハードボイルド派の巨匠と目され、現代アメリカ・ミステリ界を代表する作家の一人となった。『ミッドナイト・ブルー』はその足跡を概観するのに格好の一冊である。1983年歿。