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《黒川博行警察小説コレクション》
頭部は腐乱、脚部はミイラ化、大阪東南部の橋梁工事現場で奇妙なバラバラ死体が発見された。数日後、大阪北部で心中事件が発生。現場にはバラバラ事件の切り抜き記事が――。2つの事件に繋がりは? 通称“ブンと総長”でおなじみ大阪府警捜査一課の文田巡査部長、総田部長刑事に、京都人の五十嵐刑事も加わり、事件の謎を追う。シリーズ中で最も“本格色”が濃く、大阪弁の会話が織り成す軽妙なタッチも魅力の傑作。解説=川出正樹
黒川博行
(クロカワヒロユキ )1941年生。高校の美術教師の傍ら、1983年に第1回サントリーミステリー大賞に投じ『二度のお別れ』が佳作入選しデビュー。軽妙な会話とトリッキーな内容が読者の支持を集め、『雨に殺せば』『八号古墳に消えて』など一連のシリーズを上梓する。1986年『キャッツアイころがった』で同賞大賞を受賞。96年に「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞を受賞。2014年に『破門』で第151回直木賞を受賞。