【第4回サントリーミステリー大賞受賞】
滋賀県北部の余呉湖で、身元不明の死体が見つかった。唯一の手がかりは、胃の中にあった宝石・キャッツアイ。続いて京都の美大生、大阪の日雇労働者が殺害される。ともにキャッツアイを口に含んだ状態で発見される。余呉湖との関連に頭を悩ませる警察をよそに、事件の鍵は殺された美大生が生前旅行していたインドにあると、啓子と弘美は一路彼の地へ旅立つ。第4回サントリーミステリー大賞を受賞した、著者の出世作。解説=佳多山大地
黒川博行
(クロカワヒロユキ )1941年生。高校の美術教師の傍ら、1983年に第1回サントリーミステリー大賞に投じ『二度のお別れ』が佳作入選しデビュー。軽妙な会話とトリッキーな内容が読者の支持を集め、『雨に殺せば』『八号古墳に消えて』など一連のシリーズを上梓する。1986年『キャッツアイころがった』で同賞大賞を受賞。96年に「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞を受賞。2014年に『破門』で第151回直木賞を受賞。