― 一般文芸―
変わりつつある出版界。紙の本は消えるのか ? 読者は何を求めるのか ? 古きよき時代の編集者が直面する時代の荒波。彼の驚きと哀しみと当惑はすべての出版人と読書人アルアルといっていいだろう。
せっかくの善意を、わたしは捨てていく。そんなものでは、わたしはかけらも救われない。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
僕の住む国では、いろんなことが起きた。戦争が終わったんだ──猫は摩訶不思議な物語を語り始める。伊坂幸太郎が描く、世界の秘密についてのおはなし。野心的長編を新装版で贈る。
無戸籍、出自、不法滞在……様々な理由を抱える子供たちの生活を揺るがした大事件。十数年後、クリスマス目前にそのうち一人が失踪したのはなぜか。新境地たる書き下ろし長編。
老舗映画会社・銀都活劇が大手IT企業に買収されることが決まった。DVD宣伝部を率いる砂原江見は、すべての企画が止まってしまった会社で改めて働く意味を探し始める。
殺人未遂事件の容疑者は、無戸籍だった──強行犯係の里穂子と特命対策室の羽山が手を組み、執念の捜査の末に辿り着いた真相とは。『十の輪をくぐる』の著者渾身の傑作長編。
テーマパーク・イングランド! 王室も、ハロッズも、イングランドのすべてがそろう小さな島。そしてレプリカが本物を凌駕する。ブッカー賞作家によるアイロニーと風刺に満ちた傑作。
AにはじまりZで終わる、一見無関係な26の単語にまつわる物語が納められている。それぞれの物語は次に高飛びし、ひとつの長い物語にたどり着く。分類不可能な驚異の物語。
主に一人で、時に旅先で出会った仲間と、時にイマジナリーフレンドを連れて、現実と虚構を自在に旅する。Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作家のセミ・フィクション旅行記。
イスラエルの秘密軍事施設に監禁されている囚人Z。諜報員になり、自国の権力者に監禁されるに至った彼の数奇な人生とは。ピュリッツァー賞最終候補の著者が贈る傑作長編!
老人介護施設に入居している元書店主の部屋は、彼の愛する本で埋まっていた。本とは無縁の青年介護士グレゴワールは、彼にかかわることで、本の世界に足を踏み入れる。本との結びつき、人との結びつきを見事に描く傑作。
一九六九年、図書館員の青年ペナンブラ氏が一冊の本を探してサンフランシスコを訪れるところから始まる、二十四時間書店を舞台にした本にまつわるもうひとつの不思議な物語。
女王メーヴ率いる三国連合軍。迎え撃つは弱冠十七歳の英雄クー・フリンただひとり。アイルランドのイリアスと言われる伝説の書を詩人カーソンが語った、血湧き肉躍る英雄譚。
ある町に突然現れた理解不能な言葉を話す子どもたち。彼らは盗みを働き、市民を襲い、そして32人が一斉に死亡した。奇妙な事件を通して描く純粋で残酷な子どもたちの物語。
高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、端末をかざして世界を切り取る。かつて「わたしの」母が、祖母が、曾祖母がそうやってきたように──
誰がロラン・バルトを殺したか? エーコ、フーコー、デリダ……綺羅星のごとき登場人物たち。『HHhH』の著者による驚愕の記号学ミステリ。エーコ+『ファイト・クラブ』!
人生を諦めた人にしか用がないと言われる廃墟パライソ・アルト。そこに住む「天使」は不思議な来訪者たちの話に耳を傾け、向こう側への旅立ちを見送る。美しくも奇妙な物語。
古書店で見つけた一冊の書物には、黒曜石雲という謎の雲にまつわる奇怪な出来事が記されていた。マコーマック文学の集大成ともいうべき一冊。人はいかに謎に満ちた存在か?
心を病んだ弟を助けるためにどうしたらいいのか? 弟が変わるきっかけとなった事故を起こさなくすればいいのだ! 利発な少女の試みは……? 高校生が選ぶルノードー賞、ELLE読者大賞他多数の賞を受賞した傑作。
スイスの田舎町からパリへ。お世辞にも可愛いとはいえないマリーは、蝋で人体を作る医師の手伝いをしながら人体のことを学んでいく。『堆塵館』の著者が贈る驚天動地の物語。