神田明神下に住む、凄腕の岡っ引・銭形平次。投げ銭と卓越した推理力を武器にして、子分のガラッ八と共に、江戸で起こる様々な事件に立ち向かっていく! 暗号が彫られた櫛をきっかけに殺人が起こる「櫛の文字」。世間を騒がす怪盗・鼬小僧の意外な正体を暴く「鼬小僧の正体」。383編にも及ぶ捕物帳のスーパーヒーローの活躍譚から、ミステリに特化した傑作17編を収録した決定版。解説=末國善己
「振袖源太」
「人肌地蔵」
「人魚の死」
「平次女難」
「花見の仇討」
「がらッ八手柄話」
「女の足跡」
「雪の夜」
「槍の折れ」
「生き葬い」
「櫛の文字」
「小便組貞女」
「罠に落ちた女」
「風呂場の秘密」
「鼬小僧の正体」
「三つの菓子」
「猫の首環」
野村胡堂
(のむらこどう )1882年岩手県生まれ。東京帝国大学法科大学中退。新聞社勤務のかたわら、1931年『銭形平次捕物控』の第一作「金色の処女」を発表。42年、新聞社を退社、以降作家活動に専念する。58年に第6回菊池寛賞、60年に紫綬褒章を受章。怪奇連作「奇談クラブ」や時代小説を多く執筆した。63年没。