お隣で掃除婦さんが掃除機のコードで絞殺され、疑われたのは近所の主婦一同。わが家を守るためジェーンは探偵役を買って出た。シリーズ第1弾。
マンハッタンに雪が舞った夜、ウェルズは一人の著名な海外通信員に出会った。何やら奇妙な連帯感を覚えた挙句、ホテルまでつきあい、つぶれるまで呑んだが、翌朝相手は……
今なお読者を魅了してやまない名探偵シャーロック・ホームズ。本書は気鋭の英国女流がこの不出世の天才を甦らせたファン必読の傑作集である。傘をとりに戻ったきり一切の消息を絶った給仕長……
コナン・ドイルとは、いかなる人物であったのか? その生涯と作品を、カラーを含む豊富な図版を付して簡明に描く。ドイルならびにホームズ研究の格好の入門書。
息抜きがてらビターソーンと二人きりの時を過ごそうと、セーラは夏の別荘地を訪れた。だが、高価な骨董品、ビルバオの鏡が留守宅に置き去りにされたのを皮切りに……
昔馴染みのランスが現れたのは七月の末。彼は偶然知ったある土地成金を標的に、巧妙な詐欺の手口を案出したらしい。堅実に暮す四十二歳の元詐欺師には縁のない話のはずだった。だが今……
奇っ怪な有害植物が現れたと聞き、シャンディ教授は英国を訪れた。ところが、ブリーフィングと称する退屈な講演の毒気にあてられたか、調査に乗りだした途端、一行は中世ウェールズにタイムスリップ……
LA空港のギフトショップに勤める普通の女の子と、不運にも石油王の三男坊として生まれてしまった青年。あまりにかけ離れた世界に住むこの二人が、ある殺人未遂事件を契機に、悪党どもと壮絶な……
晩秋のグラント郡で同じハイスクールの生徒が三人、相次いで自殺を遂げた。『ニューヨーク・スター』の記者ウェルズは単身取材に赴くが、一人娘をやはり自殺で喪っている彼には苦いインタヴューの……
八月も終わるころ、小学校にまた子供たちが帰ってきた。汗を飛ばして駆け回る彼らを、三十二歳のチャーリーは密かに見守りつづけた。ここにいてはいけない。それはわかっているはずだったが、一人……
世界最大のサッカー大会ワールドカップ。開催国のアメリカは大方の予想を覆し決勝にまで進出した。その折り、プロ・ティームのオーナーが競技場内で殺される。死体の頭部にはスパイクの跡。スポーツ……
「眠そうですね、ケリングさん?」ビターソンがこちらを見て微笑んだ。マダムの御殿と呼ばれる風変わりな美術館へとやってきたのだが、暖かい四月の午後、自然に心も緩んでしまう。けれど微……
英国ミステリ界の重鎮ブランドの、独特の調理法にもとづく16の逸品。コックリル警部登場の重厚な本格物「婚姻飛翔」、スリルに満ちた謎解きゲームの顛末を描く名作「ジェミニー・クリケット事件」、あまりにもブラックなクリスマス・ストーリー「この家に祝福あれ」など、ミステリの真髄を示す傑作短編集。
思いたってメキシコ旅行に出かけたエイミーとウィルマ。ありふれた旅路となるはずだったが、滞在半ばウィルマがホテルのバルコニーから墜ちて死んでしまう。居合わせたエイミーもそのときの……
中世イタリアの修道院で起きた連続殺人事件。事件の秘密は知の宝庫ともいうべき迷宮の図書館にあるらしい。記号論学者エーコがその博学で肉づけした長編歴史ミステリ。全世界で異例の……
「ジェイク、あたし脅迫されてるの」そう言って、ラジオのスター歌手ネルは姿を消した。番組に穴をあけてはと必死になるジェイクだったが、間の悪いことに、彼女の元恋人の射殺体を発見して……
セーラはため息をついた。生活のため自宅を下宿に改造する気になったのだが、何を提案しようが一族が盛大にもめることぐらい、予期しているべきだった。でも諦めるわけにはいかない。自ら……
ユニオン・クラブの談話室で3人のメンバーが雑談に花を咲かせていると、傍らで微睡(まどろ)んでいたグリズウォルドが目を覚まし、奇想天外な挿話を語りだす。優れた洞察力で事の真相を……
ボストン・コモン近く。セーラは納骨堂の開扉に立ち会っていた。葬儀におしかけてくる人たちに何を食べさせたものかと考えながら。だが物思いはすぐに断ち切られる。ようやく開かれた……
1940年代、シカゴ。とある路地で、3人の郵便屋が相ついで殺されるという事件が発生した。弁護士マローンは飲み代欲しさに首を突っこんだが……