― 短編集―
本書は18世紀末のドイツロマン派の作品から、ティーク、ホフマンなどの9篇を収録。不条理な運命に翻弄され狂気と正気の狭間でもがき苦しむ人々の姿を描く、珠玉の作品集。
実話怪談作家・呻木叫子が遭遇する四つの怪事件──連続バラバラ殺人が起きた栃木の古屋敷、静岡の謎の古墳、博物館内をさまよう美しい少女の霊。都市伝説と民俗学が交叉する異色の怪奇ミステリ連作集。
生者と死者によって栄える巨大都市ロンドンに伝わる幽霊物語13編を、怪奇小説に精通する翻訳者が精選。収録作中12編が本邦初訳。
ラヴクラフトに影響を与えたことでも知られる著者の代表作「パンの大神」ほか、「輝く金字塔」「赤い手」「白魔」など初期作に加え、作品解題も充実。平井呈一入魂の名訳で贈る。
旧友の館を訪ねたジャックが目にしたのは,窶れ果てた友人と彼の亡き妻の残した奇怪な手記だった。表題作「図書室の怪」等4編を収録。クラシックな香り高い英国怪奇幻想譚。
江戸川乱歩が絶賛したことで知られる「奇妙な味」を代表する表題作を中心に、人間心理に潜む不安と恐怖を描き上げた名匠の傑作13篇を収録する。
1815年、フランス。パリを目指す23歳の青年が巻き込まれる一夜の冒険譚を描いた表題作ほか、19世紀ゴシックホラーの大家による知られざる傑作を収める怪異短篇集。
身近な人間の裡に潜む悪意、目に見えなくとも確かに存在する邪悪なもの、そして幽霊たち。著者の真髄を凝縮した傑作二十三編を収録し、エッセイ五編を付す。本邦初訳作多数。
繊細な心が壊れるとき、超自然的な恐怖が現われる。女流英国怪談の第一人者の傑作群を、日本オリジナル編集にて贈る。本邦初訳作を含む11篇を収録。
「赤い館」「ゴースト・ハント」などの名高い作品をはじめとする、英国怪奇黄金期最後の名手による傑作短編から、本邦初訳五作を含む全十八編を精選した決定版。
ベルギーを代表する幻想小説作家による、『黒い玉』と対を成す珠玉の短編集。霧深い夜、宿を求めた酒場で行われていたのは、雌豚を見に行く権利を賭けた奇妙なゲーム。それに勝ち、納屋に案内された男が見たものとは――
最愛の妹を亡くした女、雨の渋谷で死んだ同級生を思い出す男、満たされぬ思いから窃盗を繰り返す女、この世のものならぬ美女と遭遇した少年……、赤々とした炎のように何かに身を焦がし、切望する者たちの行く末ははたして。
どこにでもありそうな日常の風景、どこにでもいそうな普通の人々、ほんの少しの歪み。都会の片隅で繰り広げられる、ブラックユーモアのスパイスをきかせたホラー短編集。
奇跡のウィルスがもたらす地球最後の日、巨大テーマパーク兼養老院での恐怖の大冒険、などなど、『スペアーズ』『ワン・オブ・アス』の著者が贈る奇想天外なSFホラー12編を厳選。
幼い兄妹のために田舎の邸宅に赴いた若い女性の家庭教師。彼女はそこで何に触れ、何を目にしたのか。精緻な文章と曖昧な描写からだまし絵にも喩えられる古典怪奇小説の傑作。
文庫版全集最終巻。「忌み嫌われる家」「霧の高みの不思議な家」をはじめ、幻想小説13編を収録。巻末には、初期掌編集、夢書簡抜粋などを収めた。
異次元の映写室、夜霧に甦る恐竜たち……。《異形コレクション》の名アンソロジストにしてホラーの巧手の掌から溢れ出した、映画をめぐる世にも怪奇なショートショート39篇。
高空飛行に挑むパイロットが目撃した怪物たちの世界「大空の恐怖」や、邪眼に操られる男のゆくたてを克明に綴る「寄生体」など、怪奇小説作家ドイルの面目躍如たる諸作を収める。
ジェイムズの怪談に描かれる恐怖はいずれも鮮烈で、幽霊や妖怪はその手で触れてきそうなほどになまなましい。第2巻には古書市で入手した日記が招く恐怖を描く傑作「ポインター氏の日記帳」、見えざるものが見える双眼鏡の怪「丘からの眺め」など21編を収録。
近代英国怪奇小説の祖、ジェイムズの短編怪談を全2巻に収録。第1巻では、名作「マグナス伯爵」をはじめ、「十三号室」など古物・古書趣味に彩られた15編を新訳でおくる。