歩いててふと気がついたら、あたし幽霊になってた！　何も思い出せないし、下を見たら自分の体がないし。どうして？　おかしくもほろ苦い、現代ファンタジイの逸品。 

すると、もうひとつの世界でもうひとつの物語が始まった――ペンダーのやもめ女は魔女だって、みんな言ってる。妖精郷の小人をつかまえてるって。好奇心に負けたジョディは留守を狙って女…… 

屋根裏部屋に隠されていた本。ジェーニーはいま、それを見つけて息を呑んだ。『リトル・カントリー』、亡き天才作家ダンソーンのファンタジイではないか。ページを繰ってみる。「限定発行一部…… 

おれはハリー・ラドクリフ、天才建築家だ。天才だから何をしても許される。で、みんなに嫌なやつって思われてるわけだ。2人の女と適当につきあってブラブラしてたある日、アラブの偉い…… 

力は正義のために。そして、戦乱とは無縁の秩序ある国家。アーサー王の治世は、この理想を全うしたかに見えた。円卓の旗の下に騎士たちは集い、聖杯を求めて世界じゅうに…… 

少年の名はウォート。孤児だ。いずれ騎士の従者となって一生を過ごす。それが少年の運命のはずだった。そう、森のなかで奇妙な老人と出会うまでは。予言者マーリン、時間を逆に生きる…… 

兄が死んだのは、ぼくが13のときだった。線路を渡ろうとして転び、第3軌条に触れて感電死したのだ。いや、それは嘘だ。ほんとは……。ぼくは今、ウィーンで作家活動…… 

女性芸術家と若き詩人の魔術の応酬を描く表題作ほか、一族を覆う呪詛の恐怖を描いた「アーシルドゥーン家の惨劇」など全12編を収めた、20世紀最大の魔術師による異色の短編集。 

おれの親友のフィルは映画監督、ホラー映画のシリーズをあてて絶好調だ。そいつが新作の完成直前にライフル自殺しちまった。フィルはおれにビデオ・テープを残してた。なかには…… 

若き魔術師は恋人と共に世紀の実験《ムーンチャイルド》創造に取り組むが、黒魔術結社はこれを阻止すべく壮絶な魔術攻撃を開始する。二十世紀最大の魔術師によるオカルティズム小説。 

ぼくは呆然としていた。目の前に、30数年前に死んだ男の墓がある。そこに彫られた男の肖像が、なんとぼくそのものだったのだ！　そのとき見知らぬ老婆が声をかけてきた。「ここにたどり…… 

あたしはとっても幸せ。この世でいちばんすてきな旦那さまがいるし、おなかには赤ちゃんだって。でも最近、変な連続夢を見始めた。やがて夢が現実に少しずつ忍びこみはじめたとき……！　 

「ぼくは死んでるんです」マイケルは言った。「分かってますよ」小柄な男がやさしく答えた。生と死のあわいをほろ苦く描いた都会派ファンタジーの傑作。 

ディルヴィシュ。一度は〈闇の者〉ジェレラクの手によって地獄に堕とされた妖精族の伝説の騎士。妖精のなめし革を身にまとい、この世のものならぬ喋る漆黒の鋼の馬ブラックを…… 

ぼくの目の前で少年がトラックにはねられた。事故のあと町の人間が聞いてきた。「あの男の子、はねられる前は笑ってました？」笑って？　ダーク・ファンタジイの鬼才、驚愕のデビュー作！ 

なぜ目覚めたのか、わたしには分からない。蒸し暑い夜だった。やがて目の前の衣装箪笥の扉が開き、中身のない夜会服が滑り出てきた。それは宙を漂い窓を抜けて…… 

ゴーメンガースト城を逃れ、己を知るべく〈外〉の世界に初めて足を踏み入れたタイタス。その彼が目のあたりにしたのは、棲む者の誰一人として…… 

千の階層を持つ巨大建築の中で目覚めた男。彼は一切の記憶を失っていた。この舘を支配するのはオヒスファー・ミューラー。圧倒的ヴィジョンで贈る怪奇幻想ＳＦの古典的傑作。 

ゴーメンガースト城の当主はいまだ年少の第77代伯爵タイタス・グローン。彼は、何千年も前から繰り返される煩瑣な儀式に飽き、未知の外界へ、燃えるような憧れをを抱きはじめた。一方、使用人から成り上がった…… 

「空前絶後の作家」とラヴクラフトが讃嘆した怪奇小説の奇才Ｃ・Ａ・スミス。そのあまたある短編の中からとびきりの傑作をえりすぐった。全１８編。