●伊藤遊氏――「死んだトマシーナと入れ替わるようにして、猫の女神バスト・ラーが現れるあたりから、ストーリーは謎めいてくる。動物好きにはたまらないファンタジーだ。」(朝日新聞2005年5月8日)
●河合隼雄氏――「ポール・ギャリコは「ものがたる」ことの名人であり、本書は彼の傑作のなかの傑作ではないかと思う。」(解説より)
スコットランドの片田舎で獣医を開業するマクデューイ氏。獣医でありながら動物に愛情も関心も抱かない彼は、幼い一人娘メアリ・ルーが可愛がっていた猫トマシーナを病気から救おうとせず、安楽死させる。それを機に心を閉ざすメアリ・ルー。町はずれに動物たちと暮らし、《魔女》と呼ばれるローリとの出会いが、トマシーナに新たな魂を与え、二人を変えていく。『ジェニィ』と並び称される猫ファンタジイの名作を瑞々しい新訳で。解説=河合隼雄
*朝日新聞2005年5月8日の読書欄「ファンタジー行きて帰りし」で作家・伊藤遊氏が紹介。「ペットの記憶と少女の心と」
ポール・ギャリコ
アメリカの作家。1897年ニューヨーク生まれ。1976年歿。『スノーグース』『ジェニイ』『トマシーナ』『雪のひとひら』『マチルダ』『幽霊が多すぎる』『われらが英雄スクラッフィ』など著作多数。
山田蘭
(ヤマダラン )英米文学翻訳家。ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『殺しへのライン』『ナイフをひねれば』、クリスティ『スタイルズ荘の怪事件』、ハレット『ポピーのためにできること』など訳書多数。