京都にあるD**大学の文芸サークル「オンザロック」の一員で、推理小説家を目指している十沼京一は、元医院を改装した古い洋館「泥濘荘」で、仲間とともに気ままに下宿暮らしをしていた。だが、ある日メンバーの一人が館の望楼で縊死体となって発見される。それをきっかけに、次々と死に見舞われるサークル員たち。犯人はメンバーの一員か、それとも……? 名探偵・森江春策初登場作にして本格ミステリファン必読の書。第1回鮎川哲也賞受賞作。著者あとがき=芦辺拓/解説=千街晶之
芦辺拓
(アシベタク )1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。著作は『綺想宮殺人事件』『スチームオペラ』『奇譚を売る店』『時の審廷』『異次元の館の殺人』『金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび』など多数。