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名探偵ナイジェルソープは欧州の古城《グラン・ギニョール城》に招かれたが、嵐の夜を境に、閉ざされた城では次々と惨劇が起きる。一方、帰阪の中途で怪死事件に遭遇した森江春策は、調査を進めるうちに探偵小説『グラン・ギニョール城』の存在に行き当たる。やがて被害者宅に掛かってきた謎の電話の主が、森江にこう囁いた。「グラン・ギニョール城へ……来たれ」。虚実混淆の果てに、森江が見出した戦慄の真相とは? 本格の頂点を極めた探偵小説の金字塔が、待望の文庫化。特別書き下ろしショートショート「レジナルド・ナイジェルソープの冒険」を付す。単行本版あとがき・文庫版あとがき=芦辺拓/解説=辻真先
芦辺拓
(アシベタク )1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。2022年『大鞠家殺人事件』で第75回日本推理作家協会賞および第22回本格ミステリ大賞を受賞。著作は『紅楼夢の殺人』『綺想宮殺人事件』『奇譚を売る店』『スチームオペラ』『異次元の館の殺人』『鶴屋南北の殺人』『名探偵は誰だ』『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』など多数。