探偵小説に夢中の小学生・森江春策は、ある夕刻に見かけた洋館で、謎の紳士と少女をめぐる不思議な事件に巻き込まれ、初めて“推理”を披露した??その後も密室殺人に首なし死体、鉄壁の不在証明(アリバイ)などの多種多彩な不可能犯罪に遭遇する彼が、平凡な少年から名探偵へと成長を遂げてゆく道程を年代記(クロニクル)形式で描く本格ミステリ読者必読の連作短編集。著者あとがき=芦辺拓/解説=太田忠司
(単行本版タイトル『少年は探偵を夢見る』改題・文庫化)
「少年は探偵を夢見る」
「幽鬼魔(ゆきま)荘殺人事件と13号室の謎」
「滝警部補自身の事件」
「街角の断頭台(ギロチン)」
「時空を征服した男」
芦辺拓
(アシベタク )1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。2022年『大鞠家殺人事件』で第75回日本推理作家協会賞および第22回本格ミステリ大賞を受賞。著作として『綺想宮殺人事件』『スチームオペラ』『奇譚を売る店』『異次元の館の殺人』『ダブル・ミステリ』『名探偵は誰だ』『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』など多数。