高木彬光、山田風太郎らとともに、江戸川乱歩から“戦後派五人男”と称された不世出の天才・大坪砂男の作品を、旧全集二冊の全収録作に、単行本未収録作ほか随筆、著者にまつわる文章等を増補し、単独名義としては初となる文庫版にて全4巻に集成。本巻には「赤痣の女」をはじめとする、警視庁鑑識課技師・緒方三郎もの全短篇などの本格推理作品を収録した。編者解題=日下三蔵/巻末エッセイ=北村薫
「赤痣の女」
「三月十三日午前二時」
「大師誕生」
「美しき証拠」
「黒子」
「立春大吉」
「涅槃雪」
「暁に祈る」
「雪に消えた女」
「検事調書」
「浴槽」
「幽霊はお人好し」
「師父ブラウンの独り言」
「胡蝶の行方 ──贋作・師父ブラウン物語──」
日下三蔵
(クサカサンゾウ )1968年神奈川県生まれ。専修大学文学部卒。書評家、フリー編集者。主な著書に『日本SF全集・総解説』、『ミステリ交差点』、主な編著に、《年刊日本SF傑作選》(大森望との共編)、《日本SF全集》、《中村雅楽探偵全集》、《都筑道夫少年小説コレクション》、『天城一の密室犯罪学教程』ほか多数。