異様な精神が創り上げる罪の庭の美を描く表題作のほか3篇を収録する〈幻想小説篇〉に、書籍初収録の「露店将棋」「ビヤホール風景」を収める〈コント篇〉、「ロボット殺人事件」など科学趣味に溢れた先駆的な作品を集めた〈SF篇〉で贈る第四巻には、未発掘だった随筆と関連資料を多数併載する。生前歿後を通して初の単著文庫となる決定版全集、堂々完結。解題=日下三蔵/巻末エッセイ=桜庭一樹
第一部 幻想小説篇
「零人」
「幻影城」
「黄色い斑点」
「幻術自来也」
第二部 コント篇
「コント・コントン」
「寸計別田(SUKEBETTA)」
「階段」
「賓客皆秀才」
「銀狐」
「日曜日の朝」
「憎まれ者」
「露店将棋」
「蟋蟀の歌──「怪奇の街」の一節より──」
「三つのイス」
「現代の死神」
「ビヤホール風景」
「天来の着想」
「旧屋敷」
第三部 SF篇
「プロ・レス・ロボット」
「ロボット殺人事件」
「ロボットぎらい」
「宇宙船の怪人」
日下三蔵
(クサカサンゾウ )1968年神奈川県生まれ。専修大学文学部卒。書評家、フリー編集者。主な著書に『日本SF全集・総解説』、『ミステリ交差点』、主な編著に、《年刊日本SF傑作選》(大森望との共編)、《日本SF全集》、《中村雅楽探偵全集》、《都筑道夫少年小説コレクション》、『天城一の密室犯罪学教程』ほか多数。