東京創元社主催 文学新人賞 創元SF短編賞

第15回 創元SF短編賞 決定

選考委員に飛浩隆先生と宮澤伊織先生を迎え、東京創元社・小浜徹也を加えて2024年4月22日に東京創元社会議室で行なった最終選考会の結果、稲田一声「廃番の涙」を受賞作に決定いたしました。

受賞作は『紙魚の手帖vol.18』(2024年8月刊行)に収録したのち、単体の電子書籍として刊行し、また朗読音源化して配信いたします。

 

選評は、〈Web東京創元社マガジン〉に掲載するほか、『紙魚の手帖vol.18』にも掲載いたします。


 

 
■受賞作 内容紹介

 誰もが脳の一部を機械化し、自己増殖型ナノマシンによって身体を管理し健やかに生きている時代。新たな身嗜みとして、人工の感情を身に纏うコスメティック〈オーデモシオン〉が普及していた。
 新人感情調合師のミナモト・コズは、かつて一世を風靡した感情調合師のセクワ・ジュンに憧れ、セクワの立ち上げた化粧品メーカーに入社するが……

 

■受賞のことば

 このたびは素晴らしい賞をいただき、たいへん光栄に思います。
 選考委員の先生方や賞に関わるすべての皆様、創作について語り合った中学時代からの友人、大学の文芸サークル以来の付き合いである先輩・後輩、ゲンロンSF創作講座の同期・恩師・スタッフの方々、私の書くものを面白いと言ってくださった皆様、帰省時も公募で頭がいっぱいだった私を応援してくれた両親、そして私が思案するとき大腿部に適度な熱と重みを与えてくれた実家の犬に、心より感謝申し上げます。今後とも精進して参ります。

 

■プロフィール

稲田 一声(いなだ ひとこえ)

1990年愛知県生まれ、東京都在住。「おねえちゃんのハンマースペース」で第4回ゲンロンSF新人賞東浩紀賞受賞。井上彼方編『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』(Kaguya Books)に「人間が小説を書かなくなって」収録。

 

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(2024年4月26日)

最終候補が決定しました

東京創元社編集部3名による第2次選考の結果、下記の5編を最終候補作と決定いたしました。

最終選考会は4月下旬に行ないます。結果は選考会の終了後に当社サイトで発表いたします。

 

※最終選考前の改稿に際し、金森ムル氏は筆名を「鰭崎ムル」よりあらためました。また、神無月佳「殻と月輪」は「わだつみの揺り籠」に、金森ムル「夜叉ヶ池玻璃笧」は「夜叉ヶ池玻璃のしがらみ」に、三浦俳「籠中の鳥、恋を知らず」は「からくり千年道中」に、 稲田一声「廃番となった感情について」は「廃番の涙」に、それぞれ改題しました。

(2024年3月13日)

稲田 一声いなだ ひとこえ廃番の涙
神無月 佳かなづき けいわだつみの揺り籠
難波 行なんば ゆき最後のラクダ
金森 ムルかねもり むる夜叉ヶ池玻璃のしがらみ
三浦 俳みうら はいからくり千年道中

1次選考の通過作が決定しました

第15回創元SF短編賞の第1次選考を通過した作品は、下記の67編です。
現在、ひきつづいて2次選考を行なっております。結果は近日中に本ページ上で発表いたします。

(2024年2月20日)

化野 夕陽あだしの ゆうひ円の始まった日
椅子川 浮浪いすかわ ふろうひとかわ
稲田 一声いなだ ひとこえ廃番となった感情について
今葷倍 正弥いまぐんばい まさやメメントモリは役目を終えました
岩井 平米いわい へいべい回向獏縁起
植田 良樹うえだ よしき廃屋のワルツ
有藤 睡うとう ねむり目族耳族千年紀
エンノ旅立ちの朝
小川 春町おがわ はるまち死者の桜
宙 灯花おき とうか母になる
小木田 十おぎた みつるアボカドキノコ
オザワ シナコ地蔵盆の子どもたち
押本 詩おしもと うた蒸甲機〈春時雨〉
神無月 佳かなづき けい殻と月輪
木口 まこときくち まこと君がいる世界
木下 充矢きのした みつやボストーク湖の死闘
草間 小鳥子くさま ことりこ番犬を飼うなら夢のなか
五月 たぬきごがつ たぬき最後のムカデモグラ
小場 椰子こば やし予知能力者の罪と希望
斉藤 千さいとう せん利己的な噺
坂崎 かおるさかさき かおる左利きでドーナツを食べる
酒田 青さかた あおしDuck Egg Blue
里海 のるさとうみ のる瑠璃色を見ながら死なせてあげる
嶌崎 藤乃しまざき ふじのストランド
嶋田 秋しまだ あき桜の伴奏者
下田 辰巳しもだ たつみ内灘のUFO
鷹羽 玖洋たかばね くようけれど紅く陽は昇り
高見 一樹たかみ かずきムーンチルドレン
瀧本 無知たきもと むちリン・キャンベルを忘れるな
竹ノ下 賀露たけのした かろ乃蒼の草原
田中 伸幸たなか のぶゆき人口知能人間人口知能
田辺 ふみたなべ ふみ転生したら犬でした
月本 十色つきもと じゅっしょくバナナチップにはうってつけの日
月森 乙つきもり おと機密案件
弦田 実之つるた みゆきリセマラ
富永 夏海とみなが なつみ聾唖王のドラムンベース
中川 マルカなかがわ まるかはなさくもりのみち
梨皮 いつきなしかわ いつき架空の芝
七尾 叡一ななお えいいちデミウルゴスの少女
七瀬 夏扉ななせ なつひ石とフレーム
難波 行なんば ゆき最後のラクダ
二由 遊象によし ゆうしょうもし、あなたに変えたいものがあれば
灰都 とおりはいと とおり文学少女生成デスゲームの衰亡
端江田 仗はしえだ じょう放課後ステップワールド
橋本 知克はしもと ともかつ臨床都市
春雨 ハル子はるさめ はるこ留学生2044
鰭崎 ムルひれさき むる夜叉ヶ池玻璃■(やしゃがいけはりのしがらみ)※■はたけかんむりに冊
広平 周ひろひら あまねしなやかに足をふり上げて
不璽 王ふじ おうピンクの象を考えない
船戸 都湖ふなと とこFirst Cry
眞崎 十一まさき じゅういち落下
的矢 幹弘まとや みきひろメフィストフェレスの街
的矢 幹弘まとや みきひろ魔女と義手の画家
三浦 俳みうら はい籠中の鳥、恋を知らず
御堂 りゅうみどう りゅう天庭に架ける虹
南方 鳥子みなかた とりこ生きるに値しない命
もとい もと愛という幸運の降り注ぐ
森口 泰任もりぐち たいにんイゲタ村奇譚
守山 桜もりやま さくらアイちゃんは笑う
八志希 和花やしき わか情報分離業
八峰 アドミンやつみね あどみん私があなたを愛してる。
矢向 亜紀やむかい あき一般的核家族生体展示
吉美 駿一郎よしみ しゅんいちろうぬいぐるみの熊を抱いてから発言してください
林 李李子りん りりこ#TooMe
廉価れんか大いなる養蜂家
縺 翫繧れん がんうん北アルゼンチン、パンダDJブランコ伝説
渡邉 清文わたなべ きよふみゆがんだ王国で、或いは忘れられた叫び

第15回創元SF短編賞の応募受付を締め切りました

第15回創元SF短編賞の応募受付は、2024年1月9日をもちまして締め切りました。
今回の応募作品総数は521編で、うち、ウェブ応募は478編、郵送応募は43編でした。多数のご応募をいただき、誠にありがとうございます。
今後の経過については随時、本ページ上でお知らせいたします。
なお、第16回創元SF短編賞の募集詳細につきましては近日中にお知らせいたします。

(2024年1月12日)

第15回 創元SF短編賞 応募規定

■選考委員  飛浩隆/宮澤伊織/小浜徹也

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【歴代受賞作の収録書籍・電子書籍・オーディオブック一覧はこちら】

 

意気込みに溢れた新時代のSF短編の書き手の出現を熱望します。未発表の“広義”のSF短編をお寄せください。受賞作は小社刊『紙魚の手帖』に掲載したのち、短編単体で電子書籍化し、また朗読音源化したものを『kikubon(キクボン)』(株式会社RRJ)にて配信いたします。また規定原稿料をもって賞金とし、記念品として懐中時計をお贈りします。
(2023年1月12日)

 

募集要項
商業媒体未発表の、広義のSF短編を募集します。手書き不可。ウェブ応募を推奨します。

 

枚数:40字×40行換算で10~25枚(400字詰原稿用紙40~100枚相当)。また、同1枚の梗概を添付してください。
締切:2024年1月9日(火)必着

 

  • 一次選考の結果は本ページで発表いたします。二次選考の結果は本ページで発表し、通過者にのみ電話連絡いたします。
  • 最終候補作に選出された段階で、編集部提案のもと約2週間の期間で改稿していただいたのち、最終選考をおこないます。
 
ウェブでの応募方法
下記の専用応募フォームページで必要事項を記入し、作品原稿&梗概、および必要な場合は添付図版などをお送りください。ファイル名が長くなる場合は、作品名の前半数文字を使ってください。ファイルサイズの上限は合計5MBです。

 

1. 作品原稿&梗概
  • 必ずテキスト形式(書式なし)で保存し、ファイル名を"作品名"+"_応募"としてください(例:あがり_応募.txt)。WordファイルやPDFファイルなど、他形式での応募は不可とします。
  • 作品の冒頭に作品名とペンネームを記載し、末尾に「了」の字を付してください。
  • 作品の末尾から3行空けて「梗概」を始めてください。梗概は冒頭一行を「"作品名" 梗概 "ペンネーム"」とし、40字×40行換算で1枚以内の長さに収めてください。
    梗概とは作品のあらすじです。著者ご自身が作品の内容や構造を明確に把握しているかどうかを確認するためのものですので、伏線や結末も伏せずに書いてください。執筆意図の説明は不要です。
※ルビなどの指定方法について
「XYZ」に「abc」とルビを振る場合は、|XYZ《abc》のように、全角の|と《》で挟んで記述してください。そのほかの書式指定が必要な場合は、いわゆる「青空文庫形式」を使用してください。(ただし、選考過程において青空文庫形式対応ビューワを使用するとはかぎりません。ルビや書式指定を多用したい場合は、郵送応募をお勧めします)。
本文と紛らわしくなる場合などは、指定ルールをご自分で設定していただいてもかまいません。

 

2. 添付図版等
必要な場合のみ。ファイルが複数ある場合は、まとめてzip圧縮してください。"作品名"+"_図版"というファイル名にしてください(例:あがり_図版.zip)。
 
 
郵送での応募方法
 
宛先: 〒162-0814 東京都新宿区新小川町1-5 東京創元社編集部 創元SF短編賞係

 

作品原稿・作品梗概・応募者情報(下記1~3参照)を、A4サイズ横向きの用紙に40字×40行の縦書きでプリントアウトし、バインダークリップかゼムクリップで右上をとじてください。紐やホチキスでとじるのは不可です。また、手書き原稿、感熱紙印刷、原稿用紙などマス目つき用紙への印刷、USBメモリやCD-Rなど保存メディアでの応募は、すべて不可とします。

 

1. 作品原稿
冒頭に作品名とペンネームを記載してください。末尾には「了」の字を付してください。左下にノンブルをふってください。表紙はつけないでください。

 

2. 作品梗概
冒頭一行を「"作品名" 梗概 "ペンネーム"」とし、縦書き40字×40行のA4横向き用紙1枚に収めてください。
梗概とは作品のあらすじです。著者ご自身が作品の内容や構造を明確に把握しているかどうかを確認するためのものですので、伏線や結末も伏せずに書いてください。執筆意図の説明は不要です。

 

3. 応募者情報
下記10点を明記して、A4用紙1枚に収めてください。
1. 作品名2. 筆名&ふりがな3. 本名&ふりがな
4. 応募時年齢5. 性別(男性/女性/その他・非公開)6. 職業
7. 郵便番号&住所8. 電話番号9. メールアドレス
10. 小説の商業出版歴&公募新人賞応募歴(最終候補以上のみ)
※事務連絡には主にメールを使用いたしますので、なるべくPC用のメールアドレスをご記入ください。また、@tsogen.co.jpからのメールを受信できるよう、ご自身の迷惑メールフィルタ等の設定をご確認ください。
※電話番号は平日の日中に連絡のつくものをご記入ください。
※10番については、箇条書きでペンネーム・作品名・出版社名or賞名・年を明記してください。
  • 別名義の作品も、必ず記載してください。
  • 件数が多い場合は、代表的なもののみ記載してください。
  • 商業出版以外の作品発表歴(自費出版や協力出版、同人誌・個人サイト・小説投稿サイトでの発表など)や、最終候補未満の新人賞応募歴は記載しないでください。
  • 該当履歴がない場合は空欄にしてください。
 
発表
小社サイトで行う予定です。受賞作は小社刊『紙魚の手帖』(2024年8月刊行予定)に掲載します。

 

注意事項・よくある質問へのお答え
  • 二重応募(他の公募賞に応募中の作品を応募すること)は失格とします。
  • 持ち込み応募は受け付けいたしません。ウェブか郵送でご応募ください。
  • 応募原稿の差替や修正、取り下げは受け付けいたしません。
  • 応募原稿は返却いたしません。
  • 「40字×40行換算で10~25枚」というのは、実際に40字×40行で組んだときの長さです。「16000~40000字」という意味ではありません。
  • 商業的権利について無契約の作品は、商業媒体未発表とみなし応募を受け付けます。ただし、応募・選考期間中は非公開としてください。(非営利の個人ウェブサイトや同人誌などで発表した場合は、通常は無契約です。なお、電子書籍を含む自費出版物や、小説投稿サイトで公開した作品は、商業的権利について契約が存在する場合があります。不明な点は、当該サービスにご確認ください。)
  • 以下のお問い合わせにはお答えできません。結果発表をお待ちください。
    • パソコンやソフトウェアの操作に関するご質問
    • 応募原稿到着のご確認
    • 規定に気がつかず違反してしまった場合に関するお問い合わせ
    • 選考日程・内容・結果に関するお問い合わせ
  • ご提供いただいた個人情報は、本賞にかかわる事務連絡のみに利用いたします。
  • 受賞作および活字化された応募作の著作権、および二次的利用(映像化その他)に関する権利は、著者に帰属します。
 
主催 東京創元社

短編単体の電子書籍として主要電子書籍ストアにて販売中。「選考経過ならびに選評」も付しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、朗読サイト「kikubon(キクボン)」でも、下記作品の朗読音源を配信しています。

 

また、各賞受賞作を含む短編集が、創元日本SF叢書および創元SF文庫から刊行されています。

 



第1回・第2回創元SF短編賞の最終候補作から、佳作をはじめ選りすぐった作品群と受賞者による新作を収録した、オール新作の異色アンソロジー。

原色の想像力原色の想像力2
『原色の想像力』
(創元SF文庫)
『原色の想像力2』
(創元SF文庫)
第1回最終候補作 わかつきひかる
『ニートな彼とキュートな彼女』
(短編単体の電子書籍版です)