犬そっくりの生き物を育てる三人姉妹の人生をユーモラスに描き、第1回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のぼろアパートで暮らす人々の可笑しな日常「シキ零レイ零 ミドリ荘」、15人姉妹の家が建つ孤島をある日見舞った異常事態「母のいる島」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる幻想譚「巨きなものの還る場所」など、全5編を収録。第36回日本SF大賞候補作。解説=大野万紀
「うどん キツネつきの」
「シキ零(ゼロ)レイ零(ゼロ) ミドリ荘」
「母のいる島」
「おやすみラジオ」
「巨(おお)きなものの還(かえ)る場所」
高山羽根子
(タカヤマハネコ )1975年富山県生まれ。2010年「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作入選。14年、同作を表題作とした作品集でデビュー。16年「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞大賞を、20年「首里の馬」で第163回芥川龍之介賞を受賞。主な著書に『暗闇にレンズ』『パレードのシステム』がある。