大学の研究室には、世界の秘密が隠れている。
●瀬名秀明氏推薦――「『本当に新しくて素敵な”理系文学”はここから始まったんだよ』と、いつか言われる日が来ると思う。そう信じているくらい、ぼくは松崎有理の小説が大好きだ。」
【第1回創元SF短編賞受賞】
舞台は〈北の街〉にある蛸足型の古い総合大学。語り手の女子学生と同じ生命科学研究所に所属する幼馴染みの男子学生が、一心不乱に奇妙な実験を始めた。夏休みの研究室で密かに行われた、世界を左右する実験の顛末は? 第1回創元SF短編賞を受賞した表題作をはじめ、少し浮世離れした、しかしあくまでも日常的な空間――研究室を舞台に贈る、大胆にして繊細なアイデアSF連作全6編(文庫版では1編を追加収録)。解説=三村美衣
「あがり」 ※第1回創元SF短編賞受賞作
「ぼくの手のなかでしずかに」
「代書屋ミクラの幸運」
「不可能もなく裏切りもなく」
「幸福の神を追う」(文庫版で初収録)
「へむ」
松崎有理
(マツザキユウリ )1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2010年に「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞。著作に同作を収録したSF連作集『あがり』のほか、『架空論文投稿計画』『5まで数える』『イヴの末裔たちの明日』などがある。
http://yurimatsuzaki.com/