神田・お玉が池に住む岡っ引きの佐七親分。京人形のような色男ぶりから「人形佐七」と呼ばれる彼は、明晰な頭脳で難事件を解決する名探偵でもあった。羽子板のモデルになった娘が次々に殺される「羽子板娘」。月見の宴で招待客が殺され、四つの証拠品がそれぞれ別の客が犯人だと示唆する「名月一夜狂言」。ミステリ界の巨匠による人気捕物帳シリーズから17編を厳選した決定版!
「羽子板娘」
「名月一夜狂言」
「戯作地獄」
「生きている自来也(じらいや)」
「出世競べ三人旅」
「鶴の千番 」
「春色眉(まゆ)かくし」
「彫物師の娘」
「春宵(しゆんしよう)とんとんとん」
「狐の裁判」
「当り矢」
「風流女相撲」
「たぬき汁」
「遠眼鏡(とおめがね)の殿様」
「呪いの畳針」
「ろくろ首の女」
「初春笑い薬」
横溝正史
(ヨコミゾセイシ )1902年兵庫県生まれ。大正期より執筆活動を始める。乱歩に招かれて博文館に入社、雑誌「新青年」編集長としても活躍した。32年に退社し作家専業となる。48年『本陣殺人事件』で第1回探偵作家クラブ賞を受賞。『獄門島』『八つ墓村』『犬神家の一族』ほかの〈金田一耕助〉シリーズなど、数々の名作で人気を博した。81年没。