判型:文庫判
ページ数:668ページ
初版:2007年6月29日
ISBN:978-4-488-45803-4
Cコード:C0193
文庫コード:M-と-2-3
装幀:犬田和楠
歌舞伎界や芸能界の日常が、粋に端正に描かれるシリーズ第3巻は、昭和50年代に創作された作品群を収録。竹野記者が目黒のバス停でつづけざまに出会った女性にまつわる「目黒の狂女」、なぜ淀君は大坂の陣で逃げ延びなかったのかという歴史の謎を絵解きする「淀君の謎」、華やかな俳優祭で雅楽が活躍する「俳優祭」など、粒ぞろいの23編。資料には初刊時著者あとがきを併録。資料再録等=戸板康二/解説=松井今朝子/編者解題=日下三蔵
●収録作品
「かんざしの紋」
「淀君の謎」
「目黒の狂女」
「女友達」
「女形の災難」
「先代の鏡台」
「楽屋の蟹」
「お初さんの逮夜」
「むかしの写真」
「砂浜と少年」
「大使夫人の指輪」
「俳優祭」
「玄関の菊」
「梅の小枝」
「女形と香水」
「子役の病気」
「二枚目の虫歯」
「コロンボという犬」
「神かくし」
「芸養子」
「四番目の箱」
「窓際の支配人」
「木戸御免」
戸板康二
(トイタヤスジ )1915年東京生まれ。慶応義塾大学卒。劇評家、歌舞伎・演劇評論家、作家、随筆家の顔を持つ。江戸川乱歩のすすめでミステリ執筆を開始し《宝石》にデビュー作「車引殺人事件」を発表する。59年「團十郎切腹事件」で第42回直木賞、76年「グリーン車の子供」で第29回日本推理作家協会賞を受賞。93年歿。
日下三蔵
(クサカサンゾウ )1968年神奈川県生まれ。専修大学文学部卒。書評家、フリー編集者。主な著書に『日本SF全集・総解説』、『ミステリ交差点』、主な編著に、《年刊日本SF傑作選》(大森望との共編)、《日本SF全集》、《中村雅楽探偵全集》、《都筑道夫少年小説コレクション》、『天城一の密室犯罪学教程』ほか多数。