イツツノトケイ

五つの時計

鮎川哲也
北村薫


五つの時計

ジャンル
国内ミステリ > 本格ミステリ
レーベル
創元推理文庫(M)
シリーズ
鮎川哲也短編傑作選 T

判型:文庫判
ページ数:574ページ
初版:1999年2月26日

ISBN:978-4-488-40301-0
Cコード:C0193
文庫コード:M-あ-3-1



内容紹介

過ぐる昭和の半ば、探偵小説専門誌〈宝石〉の刷新に乗り出した江戸川乱歩から届いた一通の書状が、伸び盛りの駿馬に天翔る機縁を与えることとなる。乱歩編輯の第一号に掲載された「五つの時計」を始め、三箇月連続作「白い密室」「早春に死す」「愛に朽ちなん」、花森安治氏が解答を寄せた名高い犯人当て小説「薔薇荘殺人事件」など、巨星乱歩が手ずからルーブリックを附した全短編十編を収録。作家デビューから半世紀を経てなお新しい読者を獲得し、熱い視線を受け続ける本格派の驍将鮎川哲也…若き日の軌跡を窺う奇貨居くべき傑作短編集成。解説=北村薫/鼎談=有栖川有栖・北村薫・山口雅也


目次

「五つの時計」
「白い密室」
「早春に死す」
「愛に朽ちなん」
「道化師の檻」
「薔薇荘殺人事件」
「二ノ宮心中」
「悪魔はここに」
「不完全犯罪」
「急行出雲」


鮎川哲也

(アユカワテツヤ )

1919年生、2002年歿。1956年、講談社の書下し長探偵小説全集第13巻募集に応じた『黒いトランク』が出世作となる。乱歩編の〈宝石〉に迎えられて以降 本格派の驍将 の座を確立、1960年、『黒い白鳥』『憎悪の化石』で第13回日本探偵作家クラブ賞を受賞。鬼貫警部や星影龍三の活躍、三番館シリーズほかの本格推理を書き続ける一方、アンソロジー編纂、新人作家紹介等に尽力した。その名を冠したミステリ新人賞〈鮎川哲也賞〉が、1990年、東京創元社により創設された。


北村薫

(キタムラカオル )

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。89年『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』が第44回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を、2006年『ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件』が第6回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を、09年『鷺と雪』が第141回直木賞を受賞。16年に第19回日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』『太宰治の辞書』『スキップ』『ターン』『リセット』『街の灯』『玻璃の天』『覆面作家は二人いる』『冬のオペラ』『盤上の敵』『語り女たち』『ひとがた流し』『いとま申して 『童話』の人びと』『謎物語 あるいは物語の謎』『ミステリは万華鏡』『詩歌の待ち伏せ』『北村薫のうた合わせ百人一首』『読まずにはいられない 北村薫のエッセイ』がある。