カーの死後の調査と研究に依って発掘された、若かりし日の作品群や、ラジオ・ドラマを集大成した待望のコレクション。処女短編「死者を飲むかのように……」を筆頭に、アンリ・バンコランの活躍する推理譚と、名作「B13号船室」をはじめとする傑作脚本。不可能興味と怪奇趣味の横溢するディクスン・カーの世界! 解説=戸川安宣
「死者を飲むかのように……」
「山羊の影」
「第四の容疑者」
「正義の果て」
「四号車室の殺人」
「B13号船室」
「絞首人は待ってくれない」
「幽霊射手」
「花嫁消失」
ジョン・ディクスン・カー/カーター・ディクスン
1906年アメリカ、ペンシルヴェニア州生まれ。1930年に予審判事アンリ・バンコランが登場する『夜歩く』を発表。ギディオン・フェル博士シリーズの『帽子収集狂事件』、ノンシリーズの『皇帝のかぎ煙草入れ』のほか、カーター・ディクスン名義によるヘンリ・メリヴェール卿シリーズ『ユダの窓』など、オールタイム・ベスト級の傑作を次々とものし、熱狂的な読者を獲得。〈不可能犯罪の巨匠〉と呼ばれる。77年没。