― ミステリ―
偶然入手した廣重の浮世絵は本物か?調査のため訪ねた鉄道記念館で新たな死体に遭遇した敏腕TVプロデューサー朝比奈の名推理。
密室・アリバイ・アナグラム・プロバビリティの犯罪、等々、さまざまなアイディアに満ち満ちた著者ならではのミステリ・ワールド。表題作ほか、「桜」……
戦前の本格派を代表する3作家の1長編1中編5短編を収録した。葛山二郎「赤いペンキを買った女」、大阪圭吉「とむらい機関車」「三狂人」「寒の夜晴れ」「三の字旅行会」、アリバイ破りの……
比良カシウにはいっていたと思われるストリキニーネのために死者が出、比良家は家宅捜査を受けた。その時、物置小屋から無産党の弁護士の射殺体が発見され……
傑作中編「完全犯罪」で彗星の如きデビューを飾った鬼才・小栗虫太郎。本巻には小栗の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリア殺し」……
発端に提出される謎の見事さもさることながら、解明の鮮やかさが印象的な『顎十郎捕物帳』と『平賀源内捕物帳』は、十蘭の作品中、もっとも本格探偵小説の醍醐味を味わうことのできる傑作シリーズ……
戦前の浪漫主義を代表する「鬼火」は発表時の削除訂正を復元し、あわせて乱歩の「陰獣」と並ぶ竹中英太郎の傑作挿絵を全点復刻した。戦後本格探偵小説の途を開いた『本陣殺人事件』……
戦時中、犯人当てゲームに熱中し、古今東西の探偵小説を読破していた安吾が、満を持して発表した『不連続殺人事件』は、読者に挑戦した堂々たる本格巨編である。さらに結城新十郎と……
犯罪心理の描写に冴えをみせた大下宇陀児。『虚像』は見事な到達点である。角田喜久雄が従来日本になかった本格探偵小説をと意気込んで書いた『高木家の惨劇』は本格長編時代の夜明けを告げた。
著者の得意とする精神分析を巧みに取り入れ、新しい型の名探偵像を創造した大心地先生譚は、海外探偵小説ファンにも新鮮な驚きを与えるだろう。「網膜脈視症」などの代表的短編と……