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2024.07.09

創元推理文庫2024年復刊フェア書目が決定しました【2024年9月下旬開催予定】

東京創元社では、品切れ中の文庫作品を対象として、毎年”復刊フェア”を開催しています。
本年の復刊フェアは、2024年9月下旬より開催を予定しております。
今回も、X(旧twitter)で実施したアンケートの結果やお問い合わせに寄せられたご意見を参考にして、書目を決定しました。
 
今回復刊されますのは、以下の8点です。
●新カバー」とあるものは、復刊を機にカバーが新しくなります。
7月10日追記:『レディに捧げる殺人物語』も新カバーとなりますので追記しました。
 
◆ミステリ◆
フランシス・アイルズ/鮎川信夫訳『レディに捧げる殺人物語』 ●新カバー
……リナ・アスガースは、八年近くも夫と暮らしてから、やっと自分が殺人者と結婚したことをさとった……ショッキングな書き出しで始まる本書は、妻を愛し、歓心を得ようとしながら、妻の心とはうらはらな言動をする異常性格の夫に献身的につくす健気な女の不可解な性と、その内心の葛藤を描いて新生面を切り開いた犯罪心理畢生の大作。
 
ヒラリー・ウォー/法村里絵訳『この町の誰かが』 ●新カバー
ひとりの女子高校生が死体で発見されたとき、平和な町クロックフォードの素顔があらわになる。あの子を殺したのは誰か? 浮かんでは消えていく容疑者たち。焦燥する捜査班。怒りと悲しみ、疑惑と中傷のなか、事件は予測のつかない方向へと展開していく。警察小説の巨匠が全編インタビュー形式で描く《アメリカの悲劇》の構図。
 
F・W・クロフツ/中村能三訳『フレンチ警部の多忙な休暇』 ●新カバー
旅行社の社員ハリー・モリソンは、ある男から豪華船を用いたイギリス列島巡航の事業計画を聞かされ、協力を申し出る。紆余曲折の末、賭博室を設けた観光船エレニーク号がアイルランド沿岸の名所巡りを開始した。だが穏やかな航海は、モリソンが船主の死体を発見したことで終わり、事件捜査にフレンチ首席警部が名乗りをあげる。アリバイトリックの妙で読者を唸らせる傑作長編。
 
ドロシー・L・セイヤーズ/浅羽莢子訳『死体をどうぞ』 ●新カバー
砂浜にそびえる岩の上で探偵作家ハリエット・ヴェインが見つけた男は、無惨に喉を掻き切られていた。手元にはひと振りの剃刀。見渡すかぎり、浜には一筋の足跡しか残されていない。やがて潮は満ち、死体は流されるが……? さしものピーター卿も途方に暮れる難事件。幾重もの謎が周到に仕組まれた雄編にして、遊戯精神も旺盛な第7長編!
 
ビル・S・バリンジャー/矢口誠訳『煙で描いた肖像画』 ●新カバー
古い資料の中から出てきた新聞の切り抜き。それは、ダニーの記憶を刺激した。そこに写っていたのは、十年前に出会った初恋の少女だったのだ。彼女は今どうしているのだろう? ダニーは彼女の消息を追ってみようと思い立つ。青年の物語と交互に語られていくのは、ある悪女の物語。サスペンスの魔術師、バリンジャーの代表作。
 
パーシヴァル・ワイルド/越前敏弥訳『検死審問-インクエスト-』
リー・スローカム閣下が検死官としてはじめて担当することになったのは、女流作家ミセス・ベネットの屋敷で起きた死亡事件だった。女主人の誕生日を祝うために集まっていた、個性的な関係者の証言から明らかになる事件の真相とは? そして、検死官と陪審員が下した評決は? 全編が検死審問の記録からなるユニークな構成が際立つ本書は、江戸川乱歩が絶賛し、探偵小説ぎらいのチャンドラーをも魅了した才人ワイルドの代表作である。
 
◆怪奇幻想◆
シンシア・アスキス他/倉阪鬼一郎・南條竹則・西崎憲編訳『淑やかな悪夢 英米女流怪談集』 
神経の不調に悩む女にあてがわれた古い子供部屋。そこには、異様な模様の壁紙が貼られていた……。“書かれるべきではなかった、読む者の正気を失わせる小説”と評された、狂気と超自然のあわいに滲み出る恐怖「黄色い壁紙」ほか、デモーニッシュな読後感に震撼すること必至の「宿無しサンディ」等、英米の淑女たちが練達の手で織りなす、本邦初訳の恐怖譚12篇を収めた1冊、文庫化。
 
◆SF◆
ジェイムズ・P・ホーガン/小隅黎訳『時間泥棒』 
ニューヨークじゅうで時間が狂いはじめた。時計がどんどん遅れていくのだ。しかも場所ごとで遅れ方が違う。この異常事態に、著名な物理学者が言うには「異次元世界のエイリアンが我々の時間を少しずつ盗んでいるのです」!? エイリアンだか何だか知らないが、時間がなくなっていくのは本当だ。大騒動の顛末は? 巨匠が贈る時間SFの新機軸!
 
※いずれも2024年7月9日時点では購入できません。
 
また、復刊フェアとは別に、創立70周年フェアの著名人・作家による「私のオススメ文庫」でも以下の書籍を記念復刊しています。
こちらの2点は現在発売中で、書店にない場合は取り寄せ注文も可能です(『ゴースト・ハント』はこれから入荷する書店もございます)。
 
◆4月開催フェア復刊作品◆
ジョナサン・キャロル/浅羽莢子訳『我らが影の声』 ●新カバー
【澤村伊智推薦】聞け。幸福な日々と偽りの自分が、静かに確実に崩れ落ちる音を。
兄が死んだのは、ぼくが十三のときだった。線路を渡ろうとして転び、第三軌条に触れて感電死したのだ。いや、それは嘘、ほんとはぼくが……。ぼくは今、ウィーンで作家活動をしている。映画狂のすてきな夫婦とも知り合い、毎日が楽しくてしかたない。兄のことも遠い昔の話になった。それなのに──キャロルの作品中、最も恐ろしい結末。決して誰にも、結末を明かさないで下さい。
 
◆7月開催フェア復刊作品◆
H・R・ウェイクフィールド/鈴木克昌他訳『ゴースト・ハント』
【月村了衛推薦】正統派英国怪奇小説、最後の昏き光輝の書。深夜の書斎で恐怖の読書に戦き給え。
幽霊屋敷訪問の様子を実況するラジオ番組のリポーターが訪れたのは、30人にも及ぶ自殺者を出したという異様な来歴を秘めた邸宅だった……。極限の恐怖を凝縮した代表作「ゴースト・ハント」他、瀟洒な田舎の別荘(カントリー・ハウス)の怪異譚「暗黒の場所」など本邦初訳作5篇を含む、正統的な英国怪奇小説最後の書き手と謳われる名手・ウェイクフィールドの逸品18篇を集成した、初の文庫版傑作選。