文英社の「ざ・みすてり」大賞に牧薩次の作品が選ばれた! 賞を獲ったら、可能キリコに求婚すると心に決めていた薩次。知らせを聞いたスナック『蟻巣』の面々がお祭り騒ぎをする中、選考委員の三人が、一人は北海道のホテルで殺害され、一人は箱根で事故、一人は行方不明にと続々と不幸に見舞われる。新人賞選考を巡る謎と、薩次とキリコの結婚の顛末を描く、シリーズ幻の長編。著者あとがき=辻真先/解説=新保博久
辻真先
(ツジマサキ )1932年愛知県生まれ。名古屋大学卒。NHK勤務後、『鉄腕アトム』『サザエさん』『サイボーグ009』『デビルマン』『Dr.スランプ アラレちゃん』など、アニメや特撮の脚本家として幅広く活躍。72年『仮題・中学殺人事件』でミステリ作家としてデビュー。82年『アリスの国の殺人』が第35回日本推理作家協会賞を、2009年に牧薩次名義で刊行した『完全恋愛』が第9回本格ミステリ大賞を受賞。19年に第23回日本ミステリー文学大賞を受賞。20年刊行の『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』は、年末ミステリランキング3冠を達成する。近年では、アンソロジーへの寄稿や同人活動も積極的に行なっている。