なんと、そこは島だった! 旅のさなか、フランスの有名な四重奏団の一行が連れてこられた都市は、科学技術の粋を集めて建造された動く人工島だったのだ。やがて島は南太平洋をめざして陸をはなれ、4人もいつしか奇想天外な旅を楽しみはじめるのだが……彼らの行く手には、大海賊が今や遅しと手ぐすねひいて待ちかまえていた!
ジュール・ヴェルヌ
フランスの作家。1828年生、1905年歿。はじめ劇作家を志すが、『気球に乗って五週間』の発表で大成功を収め、一躍流行作家となった。ウェルズ、ドイルと並び称される現代SFの開祖である。代表作とも言える『海底二万里』『月世界へ行く』『八十日間世界一周』をはじめとして、生涯に80あまりの小説を発表。彼が描く未来予見と驚異の旅は、古今東西の名作群の中で今なお輝きを放っている。