時は1872年。英国貴族フォッグ卿は、80日間で世界一周ができるかどうか、友人と2万ポンドの賭をした。成功を疑う紳士たちをあとに、彼はただちにロンドンを発つ。前途に待つのは、障害に次ぐ障害。汽船、列車、象、そり……ありとあらゆる乗り物を駆って、波瀾に富んだ旅行が繰り広げられる! 巨匠ヴェルヌの傑作中の傑作。挿絵=南村喬之
ジュール・ヴェルヌ
フランスの作家。1828年生、1905年歿。はじめ劇作家を志すが、『気球に乗って五週間』の発表で大成功を収め、一躍流行作家となった。ウェルズ、ドイルと並び称される現代SFの開祖である。代表作とも言える『海底二万里』『月世界へ行く』『八十日間世界一周』をはじめとして、生涯に80あまりの小説を発表。彼が描く未来予見と驚異の旅は、古今東西の名作群の中で今なお輝きを放っている。