太平天国の乱が収まりやらぬ、清朝末の中国。大金持の金馥青年は、ニューヨーク株式市場の大暴落によって、一瞬のうちに全財産を失ってしまった。彼はついに自殺を決意したが、運命の皮肉はその前途にスリルに満ちた冒険と恐怖を用意していたのだ! 広東から万里の長城へと、広漠たる中国大陸を舞台にくり広げられる、波瀾万丈の大冒険小説。挿絵=南村喬之
ジュール・ヴェルヌ
フランスの作家。1828年生、1905年歿。はじめ劇作家を志すが、『気球に乗って五週間』の発表で大成功を収め、一躍流行作家となった。ウェルズ、ドイルと並び称される現代SFの開祖である。代表作とも言える『海底二万里』『月世界へ行く』『八十日間世界一周』をはじめとして、生涯に80あまりの小説を発表。彼が描く未来予見と驚異の旅は、古今東西の名作群の中で今なお輝きを放っている。