オズラン星に住む両棲類種族から、宇宙船キャリエルと相棒ケフのコンビ宛に、母星への移送依頼が舞い込んだ。透明な水の玉に入ったその知的種族は、同チームにより発見され、“玉蛙”として注目の存在である。蛙たちは実に千年ぶりの帰郷を果たすが、この母星と植民星の断絶には、ある“伝説の船”との因果関係が? 第6弾。
アン・マキャフリー
アメリカの作家。1926年生まれ。女性作家が繚乱するアメリカSF界でもナンバーワンの人気を誇る。女性を主人公とする情感溢れる物語づくりに定評があり、各種あるシリーズの中では≪パーンの竜騎士≫が有名だが、著者自身最も愛着があると語るのが、デビュー間もない頃に書いた『歌う船』である。宇宙船の身体をもつ一人の少女の冒険を綴った傑作連作集で、その後シリーズ化された。2011年没。
嶋田洋一
(シマダヨウイチ )1956年生まれ。 静岡大学人文学部卒、翻訳家。主な訳書に、ピーター・ワッツ『ブラインドサイト』『エコープラクシア 反響動作』、マイクル・フリン『異星人の郷』、M・M・スミス『みんな行ってしまう』、ダン・シモンズ『ザ・テラー』ほか多数。