夜ごと華麗な舞台が繰り広げられるオペラ座。だが、その地下では全く別のドラマが進行していた。幽霊騒ぎを端緒に、続発する奇怪な出来事。恋い慕う歌姫を追って事件に巻き込まれたシャニイ子爵の運命は? 人外境と化したオペラ座の奈落の闇にひそむ幽霊とは何ものなのか? 『黄色い部屋の謎』と並び称される、ルルーの代表的傑作!
ガストン・ルルー
1868年パリ生まれ。パリ大学卒。『ル・マタン』紙の海外特派員となりヨーロッパや中東を飛び回っていたが、1904年にデビュー長編La Double Vie de Théophraste Longuetを発表し、職業作家に転じる。古風で波瀾万丈な物語を紡ぎだして大変な評判をとり、1907年に発表された『黄色い部屋の謎』は密室ミステリの歴史的名作として名高い。他の著作に『オペラ座の怪人』『黒衣婦人の香り』『ガストン・ルルーの恐怖夜話』などがある。1927年没。